打算的[語句情報] » 打算的

「打算的〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

打算的の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
あらくれ」より 著者:徳田秋声
この辺の地所は坪どのくらいのものだろう」 小野田はそこを出てお島の傍へ来ると、打算的の目を耀《かがや》かして訊《たず》ねた。 「どの位だかね。今じゃ十円もする....
或る女」より 著者:有島武郎
。おとなびたようで子供っぽい、そうかと思うと感情の高潮を示したと思われる所も妙に打算的な所が離れ切らないと葉子に思わせるような内容だった。葉子は一々精読するのが....
箕輪心中」より 著者:岡本綺堂
忌《いや》がられるかというと、一つには末の目当てがないからであった。恋はもちろん打算的から成り立つものではないが、しょせん添われぬと決まっている人と真剣の恋をす....
仮装人物」より 著者:徳田秋声
いつも貞操を物質以下にも安く見つもりがちな、ほとんど無智といえば言えるほど曖昧な打算的感情が、あたかも過去の女性かと思われるほどの廃頽のなかに見出されるのを感ず....
思想と風俗」より 著者:戸坂潤
もし得られる予定になってる結果が精神的な御利益ならば、それがどれ程功利的であり打算的であろうと、元々精神の一手で綺麗に片がつくので、建前上の食い違いがなく、決....
」より 著者:太宰治
また兄は、自殺をいい気なものとして嫌った。けれども私は、自殺を処世術みたいな打算的なものとして考えていた矢先であったから、兄のこの言葉を意外に感じた。 白....
家庭愛増進術」より 著者:岡本かの子
、やはり些細な観察や評価の眼はにぶらしてはなりません。それは決して其結果によって打算的な仕向けをするという卑しい考えからでは無くて、自分の身辺を晦まして置くとい....
灰色の記憶」より 著者:久坂葉子
すことを平気で行うことに、別だん、矛盾だとも思えなくなり、行動することもだんだん打算的になった。 三月になって、私達の学年は卒業した。その時、私の卒業証書も家....
カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
それにしても、彼がこの家庭へはいったのは、まだきわめて幼少のころで、こんな子供に打算的な悪知恵や、機嫌を取って人に好かれようとする術策や技巧や、自分を可愛《かわ....
アインシュタイン」より 著者:寺田寅彦
眼それ自身は磁石のように牽き付ける眼である。それは夢を見る人の眼であって、冷たい打算的なアカデミックな眼でない、普通の視覚の奥に隠れたあるものを見透す詩人創造者....
学生と教養」より 著者:倉田百三
衝動を持っている。他人との同情はわれわれを利他的行為に駆るのである。利他は利己の打算的手段として起こったもので、畢竟賢き利己であるという説はこれで破られる。しか....
光り合ういのち」より 著者:倉田百三
申込んだ私の非常識と、境遇の圧力とを恥じ、それにもかかわらず、受け容れてくれた非打算的な、時子の愛を感謝する。後で彼女の姉さんから聞いて解ったのだが、彼女は毎日....
戦後合格者」より 著者:坂口安吾
の低さも政略なのだから、その差は甚しい。 だいたい人間の良識というものは相互の打算的なもの、政略的なもの、その作用を利用して、中正や相互的な幸福安定の度を高め....
水晶の栓」より 著者:新青年編輯局
りっこなしさ……どうだ手を打つか?』 ドーブレクは意外に打たれた。しかし強欲で打算的な彼はたちまち喜んだ。 『よしッ。承知した。荷物と引換えに子供を返してやろ....
お母さんは僕達の太陽」より 著者:小川未明
、子供のほんとうの味方でありましょう。そのお母さんが、もし子供の人格を重んぜず、打算的に自分の都合だけしか考えなかったら、果して、どうであろうか。お母さんは、ど....