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「打診〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

打診の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
地球発狂事件」より 著者:海野十三
た。博士は、ちょっと首を左右にふり向けて室内を見渡した。この部屋にいる者の顔色を打診したのであろう。博士の表情が少し硬くなった。彼はパイプを握った方の手をあげて....
ゴールデン・バット事件」より 著者:海野十三
をあちこち触れてみた。手の甲というものは、冷熱の感覚がたいへん鋭敏である。医師が打診をするときの調子で、そこらあたりを圧えてまわった揚句、とうとう私は或る物の形....
母子叙情」より 著者:岡本かの子
と首を前へ突き出して来た。この種の社会事業家によくある好意をもって他人の事情を打診する表情で「お子さんはもう巴里に何年ぐらいになりますかな。よほど永いように思....
斜陽」より 著者:太宰治
白絣に夏羽織をお召しになって診察にいらした。れいの如く、ていねいに永い事、聴診や打診をなさって、それから私のほうに真正面に向き直り、 「御心配はございません。お....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
くれとさし出す翁の右手をよく見れば、第三指の尖が左の方に向って鉤形に曲って居る。打診に精神がこもる証拠だ。乃公の打診は何処をたゝいても患者の心臓にピーンと響く、....
思想と風俗」より 著者:戸坂潤
質を実際的な問題とすることは出来ないかも知れぬ。教養は関心のシステム如何によって打診出来ると云った。処が実際、意欲のシステムがチャンと出来上って育ちつつあること....
読書法」より 著者:戸坂潤
然? とでも云うべき)濃まやかな思いやりでこの階級社会の塵にまみれた愛慾の葛藤を打診している。「新しい一夫一婦」、「夫婦が作家である場合」、「インガ」(「ソヴェ....
笑い」より 著者:寺田寅彦
っている気分に軽い衝撃を与えるような効果はあるらしい。 いよいよ胸をくつろげて打診から聴診と進んで来るに従って、からだじゅうを駆けめぐっていた力無いたよりない....
二、〇〇〇年戦争」より 著者:海野十三
った。彼は、これまでのいくつかの戦争において、いつも敗戦の原因となった漸進主義や打診主義を排し、全国軍の重攻撃兵器を一つに集めて、猛烈なる大攻撃にうって出る主義....
地球要塞」より 著者:海野十三
にも異状が発見されないのである。哨戒艦は、しきりに沈下したわがクロクロ島の屋根を打診《だしん》していたことになるのだ。 クロクロ島は、約十万トンもある大きな潜....
社会時評」より 著者:戸坂潤
農民の満不満は皇軍自身にとって何よりも重大な利害のあることだ。農民の要求は丁寧に打診されねばならぬ。で再びあの投書だが。 それはそうとして、最近陸海軍では、普....
女心の強ければ」より 著者:豊島与志雄
というか、沈思というか、そのような折のあなたの胸の中に忍びこんで、その奥底を私は打診したかったのですが、やめました。なにも、後悔していらっしゃることなどないと、....
エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
である。しかし、それを決意する前に、二つの同盟国――イングランドとオランダの意を打診する必要があった。これらの同盟国を説いて、世界平和に賛成させよう、という見と....
澪標」より 著者:外村繁
とく子の腹部を開き、巻尺を当てた。更にとく子を仰臥させ、医者はその胸部を繰り返し打診した。 しかしこの診察の結果、とく子は心臓弁膜症であることが判り、保険に加....
四つの都」より 著者:織田作之助
スチャア遊びをしている。 少年工のA、鉛筆をしきりに振る。体温計のつもり。そして打診の真似をする。 少年工のB「お医者さん!」(と当てる) 少年工のC「当りまし....