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「打込む〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

打込むの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
幻談」より 著者:幸田露伴
《らんせき》にあたる浪《なみ》の白泡立《しらあわだ》つ中へ竿を振って餌《えさ》を打込むのですから、釣れることは釣れても随分労働的の釣であります。そんな釣はその時....
俊寛」より 著者:菊池寛
木は、伐り倒すのに四|半刻近くかかった。が、彼が額に汗を流しながら、その幹に鉞を打込むとき、彼は名状しがたい壮快な気持がする。清盛に対する怨みなどは、そうした瞬....
灯明之巻」より 著者:泉鏡花
、すきを取って平らげること、焼山越の蠎蛇の比にあらず、朝鮮|蔚山の敵軍へ、大砲を打込むばかり、油の黒煙を立てる裡で、お誓を呼立つること、矢叫びに相斉しい。名を知....
霧陰伊香保湯煙」より 著者:三遊亭円朝
打たれるから引外したら蹌けたので」 巡「また左様云う悪い者があったら手込に谷川へ打込む事はならぬ、すぐ派出も在るものじゃから訴えなければならんに、手込にする事は....
寺内の奇人団」より 著者:淡島寒月
申したスリエの曲馬で大砲をうった男が、よし来たというので、鉄砲をドンドン縁の下に打込む、それでもなお悪戯が止まなかったので、仕方がないから祀ってやろうとなって、....
夜長姫と耳男」より 著者:坂口安吾
。ふざけちゃアいけませんや。はばかりながら、ヒダのタクミはガキの時から仕事に命を打込むものと叩きこまれているのだ。仕事のほかには命をすてる心当りもないが、腕くら....
後の業平文治」より 著者:三遊亭円朝
くお町の方を目がけて一太刀打込みました。 文「何をするッ」 と文治は横合より打込む太刀を受け止め、 文「女を相手にしようとは卑怯な奴じゃな、さア此の文治が....
安吾巷談」より 著者:坂口安吾
の結果をためしている賭の要素が大きい。練習をつみ、その技術に深入りするほど、賭に打込む情熱も大きなものになる。偶然にまかせるルーレットの類とちがって、練習という....
南極の怪事」より 著者:押川春浪
て、油断をすれば余は滑り落ちんとす、今はやや海上静まりしと見え、怒濤の破れ目より打込むような事はなけれど、決して暴風のやみしにあらず、船の動揺はなかなか激しくし....
多神教」より 著者:泉鏡花
相じゃ。 般若の面の男 ほう。 道化の面の男 (うそうそと前に出づ)何と、あの、打込む太鼓…… 〆太鼓の男 何じゃい。何じゃい。 道化の面 いや、太鼓ではない。....
春昼後刻」より 著者:泉鏡花
浜にいるのが胡坐かいたと思うと、テン、テン、テンテンツツテンテンテン波に丁と打込む太鼓、油のような海面へ、綾を流して、響くと同時に、水の中に立ったのが、一曲....
葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
、」 「南無阿弥陀仏。」 折から洲崎のどの楼ぞ、二階よりか三階よりか、海へ颯と打込む太鼓。 浴衣は静に流れたのである。 菊枝は活々とした女になったが、以前....
ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
鎚を取って、御新造さんと熟と顔を見合って、(目はこう入れたわ。)丁!(左は)丁と打込む冴に、ありありとお美しい御新造さんの鬢のほつれをかけて、雪の羽がさらさらと....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
勝負であった。襷鉢巻に股立取って、満身に力瘤を入れつつ起上って、右からも左からも打込む隙がない身構えをしてから、曳やッと気合を掛けて打込む命掛けの勝負であった。....
空中征服」より 著者:賀川豊彦
、ただ市会の決議だけでは、あの男は動きそうもないぜ、何か刑事問題でも起して牢屋に打込むと一番早いがなア」 「そこだって、何か種があるかね」 「そら、何でもないよ....