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払い除ける
「払い除ける〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
払い除けるの前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
りに仕て了った。
けれど秀子の災難は余の思ったより切迫して居て、又実際余の力で
払い除ける事の出来ぬ様な恐ろしい秘密的の性質であった。
第四十四回 星の様な光....
「渾沌未分」より 著者:岡本かの子
の背筋の溝に砂をさあっと入れる。 「よしよ。僕、今日苦しんでるんだ」 薫は肘で
払い除けるが、小初は関わず背筋へ入れた砂をぽんぽんと平手で叩き均らして、 「ちっ....
「狼の怪」より 著者:田中貢太郎
にすみません」 「いや、どういたしまして、私は獣でも来て嘗めたと思いましたから、
払い除ける拍子に、何か手端に触りましたから、一生懸命に掴んで見ますと、それがお嬢....
「幽霊と推進機」より 著者:夢野久作
と崩れる波に入り乱れて物凄い限りを極めた。 けれども、結局この船に付いた怪痴を
払い除ける事は出来なかったらしい。 出帆してから一週間目に来た、その大|時化の....
「オンチ」より 著者:夢野久作
が半身を起して、盲目滅法に掴みかかったので、菜葉服の男は面喰ったらしい。その手を
払い除けると、一度投棄てた黒い棒を取上げて身軽く事務員風の男の背後にまわった。こ....
「絵姿」より 著者:渡辺温
しめつけたまま忽ち壁に向って押し戻した。彼は必死になって※いて漸くその恐しい指を
払い除けることが出来たが、今度はピストルの金具の鳴る音を聞き、そして彼の頭を真直....
「旅愁」より 著者:横光利一
来る自分の気持ちがうるさいばかりでなく、さらに相手にも同様に増して来るその傘を、
払い除ける手間ひまの煩わしさに加えて、要らざるこちらの腹さえさぐられる不愉快さも....
「二都物語」より 著者:佐々木直次郎
げかける影を見たかのように、不可解なことだった。 彼の心からこの陰鬱な物思いを
払い除ける魅力を持っているのは彼の娘だけであった。彼女は、彼をその災難の彼方の過....
「女の膝」より 著者:小山内薫
夜見たと変らない女が、ムッと馬乗に跨がっているのだ、私はその時にも、矢張その女を
払い除ける勇気が出ないので、苦しみながらに眼を無理に※って、女の顔を見てやろうと....
「獅子舞雑考」より 著者:中山太郎
際して疎《ウト》び荒《アラ》び来る死の凶霊を、百獣の王である獅子の威光によって、
払い除ける呪力あるものとして、用いたのに始まると考えている。ここで少しく筆路が脱....