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「払拭〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

払拭の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
高山の雪」より 著者:小島烏水
、北方は少量で、雪線が高い、即ち南は実際において、赤道に近いにも拘わらず印度洋を払拭《ふっしょく》して来る風が、多量の水蒸気を齎らすのに反して、北は西蔵《チベッ....
海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
その分子がヒットラー総統及びヒムラー内相を暗殺することあらば、ドイツはナチの色を払拭し、休戦するであろうとの情報が存在した。 これとあれとを相関して考え、とに....
般若心経講義」より 著者:高神覚昇
りについて、こういっています。 「身は是れ菩提樹、心は明鏡台の如し。時々に勤めて払拭せよ。塵埃を惹かしむること勿れ」 私どもの身体は、ちょうど、一本の菩提の樹....
思想と風俗」より 著者:戸坂潤
の必然性と見る代りに、之を単なる欠陥誤謬偶然等々と見做し、合理的な見地から云って払拭清算されるべき過去と見ることとなる。歴史的必然の無視がこの合理的進歩主義の一....
」より 著者:鷹野つぎ
青い空の盤上に白い雲が、いいようもないさまざまの形をあらわして、流れ漂うさまは、払拭された青一色の空よりも私の眼にはたのしかった。朝かげ夕かげの移りゆくさまも、....
科学論」より 著者:戸坂潤
ばかりでなく又無意味でもあるように、常識と科学との実際的な連絡はこの区別によって払拭されるのではない。両者の連関の個々の項目に就いては今は省略しなければならない....
日本イデオロギー論」より 著者:戸坂潤
い。と云うのは、一切の歴史的社会的現象が、その基礎構造や上部構造などの区別を予め払拭した一様に扁平な諸事象として、一つの概念に包摂され投げ込まれることになるが、....
思想としての文学」より 著者:戸坂潤
着して了った。之では科学的・理論的な実証的概念と妄想的表象との最後の区別は、遂に払拭されて了わざるを得ない。もし神の世界創造が妄想による計画によったとすれば、ヘ....
現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
意味を持っているのは社会における各種の(個人同志のまた階級層間の)対立をそのまま払拭することが、都合の好いことで、従ってまた善いことだという通念が、そういう常識....
大自然を讃う」より 著者:豊島与志雄
の微小を感ずる。人生に於て吾々の眼を強く惹きつけていたあらゆるものの価値が一時に払拭され、凡てのものの中心であった自分自身が微々たるものになって、ただ悠久永劫な....
或る日の対話」より 著者:豊島与志雄
や財閥の崩壊は、ただ徹底的ならんことが望まれるばかりである。軍国主義や封建主義の払拭は、一抹の残滓をも残さざらんことが望まれるばかりである。其他、何処にも何物に....
安吾巷談」より 著者:坂口安吾
ない方向へ、人々をひきむけることを目的としていたようであった。 これは今日では払拭されたようであるが、洗煉されたものよりも粗野の方へ、デリケートなものよりも無....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
がふと心のなかを掠めて行った。僻目であろうかと恐れたが、それかといって、その疑を払拭する反証をも捉え得なかった。 鶴見は気張って、痩っぽちの裸体を風呂屋の洗い....
本朝変態葬礼史」より 著者:中山太郎
た情態に置かれた社会にあっては、幾度か殉死を禁ずる法令が発せられても、なおこれを払拭することが出来なかったのである。そして武家階級が起るようになり、主従道徳が強....
啓蒙の現代的意味と役割とについて」より 著者:戸坂潤
つの必然性と見る代りに、之を単なる缺陷誤謬偶然等々と見做し合理的な見地から云って払拭清算されるべき過去と見ることとなる。歴史的必然の無視がこの合理的進歩主義の一....