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払暁
「払暁〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
払暁の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「突貫紀行」より 著者:幸田露伴
はいよいよ甚しく、時には犬に取り巻かれ人に誰何《すいか》せられて、辛《から》くも
払暁《あけがた》郡山に達しけるが、二本松郡山の間にては幾度《いくど》か憩《いこ》....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
あると思う。
その日――一月二十八日の朝。生来あまり健康でない法水は、あの霙の
払暁に起った事件の疲労から、全然|恢復するまでになっていなかった。それなので、訪....
「聖アレキセイ寺院の惨劇」より 著者:小栗虫太郎
りをうけて時刻はずれには決して鳴ることのない聖堂の鐘が、凍体のような一月二十一日
払暁五時の空気に、嫋嫋とした振動を伝えたのである。 それも、ホンの一二分程の間....
「姉川合戦」より 著者:菊池寛
たわけである。 六月二十八日午前三時に浅井軍は野村に朝倉勢は三田村に展開した。
払暁を待って横山城を囲んでいる織田軍を攻撃せんと云うのであった。ところが信長が二....
「真田幸村」より 著者:菊池寛
こうして、五月六日の戦は、真田父子の水際立った奮戦に終始した。 五月七日の
払暁、越前少将忠直の家臣、吉田|修理亮光重は能く河内の地に通じたるを以て、先陣と....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
で彼はその日頃、幸福でさえあったのである。 だがその甚太郎は立ち去った。今日の
払暁に立ち去った。で再び荒涼たる孤独が、城主の心へ甦って来た。近くに愛すべき何物....
「家」より 著者:島崎藤村
う直樹は三吉の顔を眺めて言った。山登りをした制服も濡れ萎れて見えた。この中学生は
払暁に噴火口を見て、疲れた足を引摺りながら降りて来た。 直樹を休ませて置いて、....
「英本土上陸作戦の前夜」より 著者:海野十三
にのぼるドイツ軍のための生命の目標だった。この目標によって、彼等ドイツ軍は、この
払暁、このハンバー河口の機雷原と高射砲弾幕とを突破して、この地に上陸作戦を敢行す....
「織田信長」より 著者:坂口安吾
いう者と、二派の批評があったそうだ。 信長は京都、堺を見物していたが、雨降りの
払暁、にわかに出立、昼夜兼行二十七里の山径をブッとばして帰城した。この理由も、家....
「潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
り上がって、人も巌も、その真白な飛沫をかぶるのだった。 風も六月の末とはいえ、
払暁の湿った冷たさは、実際の寒気よりも烈しく身を刺した。しかも、岬の鼻に来てはす....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
る。 『阿部一族』のうちで、山崎にある阿部の屋敷に討ち入ろうとして、討手のものが
払暁に表門の前に来る。その条下に板塀の上に夾竹桃が二、三尺伸びているように書いて....
「二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
腰を撫ってやると、快い気持そうに漸と落付いて、暫らくしてから一匹産落し、とうとう
払暁まで掛って九匹を取上げたと、猫のお産の話を事細やかに説明して、「お産の取上爺....
「鴎外博士の追憶」より 著者:内田魯庵
先生マダ起きているな、」と眺めていると、その中にプッと消えた。急いで時計を見ると
払暁の四時だった。「これじゃアとても競争が出来ない、」とその後私の許へ来て話した....
「西航日録」より 著者:井上円了
ang)に向かって発す。 五日、炎晴。終日マレー半島の西岸に沿って北走し、六日
払暁、ペナン港に入る。シナ人のここに上陸するものおよそ五百名あり、みな下等の労働....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
に誘致するに勉めた。大王は苦境を脱するため種々苦心し色々の機動を試みたが、十四日
払暁突如ラウドンと衝突、適切機敏なる指揮に依りこれを撃破した。 リーグニッツの....