托す[語句情報] »
托す
「托す〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
托すの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「河明り」より 著者:岡本かの子
いる。むかし印度の哲学詩人たちが、ここには竜宮というものがあって、陸上で生命が屈
托するときに、しばらく生命はここに匿れて時期を待つのだといった思想などは、南の海....
「芥川の事ども」より 著者:菊池寛
あらゆる文章をのせてもいいと思う。芥川にもっとも接近していた小穴隆一君に、編集を
托するつもりだ。大町桂月氏を記念するために、「桂月」という雑誌さえあるのだから、....
「空中漂流一週間」より 著者:海野十三
。 その間にと思って、「火の玉」少尉は再びマイクをとりあげ、急ぎの報告を電波に
托すつもりで、 「ハア、こっちは××繋留気球第一号の六条です。電波はつづいて出て....
「連環記」より 著者:幸田露伴
無い。丁度寂照がかねてから渡宋して霊場参拝しようという念を抱いて居たので、これを
托すことにした。其頃大陸へ渡るということは、今日南氷洋へ出掛けて鯨を取るというよ....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
砂になりたいものだ」とする説もある(新考)。いずれにしても、細砂の中に自分の命を
托する意味で同一に帰着する。「解衣の恋ひ乱れつつ浮沙浮きても吾はありわたるかも」....
「三十歳」より 著者:坂口安吾
ために生きるか目安を失い果てゝいる私は、私の生命の火となるものを魔術のカラクリに
托す以外に仕方がなかったであろう。 それがカラクリであるにしても、ともかく、そ....
「金銭無情」より 著者:坂口安吾
雨が降るみたいにお酒の降る日も女の降る日も肴の降る日もあるといふ夢と希望に天地を
托す、一向に降る日のためしがなくとも天地を托してをるものでして、戦争と兵隊はまつ....
「光は影を」より 著者:岸田国士
、自分にいつたい何ができるかを考えてみた。 いくら考えてみても、身近にこの娘を
托すべき人物は見当らなかつた。文学の修業といつても、常識からいつて、必ずしも文士....
「血曼陀羅紙帳武士」より 著者:国枝史郎
ったら、衝動を受けた瞬間、相手の男性の善悪を、直観的に識別け、その瞬間に、将来を
托すべき良人を――恋人を、認識るものである。狂人の、孤独の父親に仕え、化物屋敷の....
「岩波文庫論」より 著者:岩波茂雄
に驚いた。讃美、激励、希望等の書信が数千通に達した。「私の教養の一切を岩波文庫に
托する」などという感激の文字もあった。私はよい仕事だ、高貴な永遠の事業だ、達成す....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
密の使命を果すに適当な人物では決してなかった。二葉亭の人物を見立ててそんな使命を
托する人もあるまいし、托せられて軽率に応ずる二葉亭でもなかった。かつもしそんな使....
「二葉亭追録」より 著者:内田魯庵
また手腕がなかったかも知れぬが、頭の中の経綸は決して空疎でなかった。もし小説に仮
托するなら矢野龍渓や東海散士の向うを張って中里介山と人気を争うぐらいは何でもなか....
「層雲峡より大雪山へ」より 著者:大町桂月
に陥りて、出るに出られず、食うに物なく、弱り果てて力なき身を渓流の中の膚寸の地に
托するものなるべし。空しく死を待つよりは、今一度活路を求めて見よとて、杖にてとぐ....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
詞で立派に議論が出来る。
詞で学問の系統が組み立てられる。
詞に都合好く信仰を
托することが出来る。
詞の上ではグレシアのヨタの字一字も奪われない。
学....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
しょう。でしょうがね、何かあればこれ見よがしだ。見識|面をしくさる。役人共とは結
托する。勝手気儘のし放題で、宿屋仲間の公徳を蹂躙する。………」 公徳がおかしい....