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托する
「托する〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
托するの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「ふもれすく」より 著者:辻潤
変に固苦しく、生活を心の底からエンジョイすることを知らず、自分の感情を思う存分に
托する歌一ツだに持たず、狭い自分達の箱の中でお互いに角つき合い、眼くじらを立て、....
「河明り」より 著者:岡本かの子
いる。むかし印度の哲学詩人たちが、ここには竜宮というものがあって、陸上で生命が屈
托するときに、しばらく生命はここに匿れて時期を待つのだといった思想などは、南の海....
「芥川の事ども」より 著者:菊池寛
あらゆる文章をのせてもいいと思う。芥川にもっとも接近していた小穴隆一君に、編集を
托するつもりだ。大町桂月氏を記念するために、「桂月」という雑誌さえあるのだから、....
「家」より 著者:島崎藤村
埃を払って、それを弟の前に置いた。 「これは三吉の方へ遣って置こう」 と保管を
托するように言った。父の遺筆である。忠寛を記念するものは次第に散って了った。この....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
あゝ朝日!
爾の無限大を以てして一滴の露に宿るを厭わぬ爾朝日!
須臾の命を小枝に
托するはかない水の一雫、其露を玉と光らす爾大日輪!
「爾の子、爾の栄を現わさん為....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
、自分の故郷へ帰るような気持になって、あの白山の山のふところにこそ、自分の生涯を
托する安楽な棲処《すみか》があるものだと思われてならないのらしい。 白川の流れ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
き人ではなく、憐れむべき人である。 女の心が男に向う時、その男が己《おの》れを
托するに足りるほどに強い男であることを知った時には、信頼となり、或いは恋愛に変ず....
「鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
改築の際から、今までは、寄宿生中より抜擢して命じた舎監を特に他の同郷の壮年者に嘱
托する事になって、そこで肉弾の著者で名を知られた、桜井|忠温《ただよし》氏、続い....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
砂になりたいものだ」とする説もある(新考)。いずれにしても、細砂の中に自分の命を
托する意味で同一に帰着する。「解衣の恋ひ乱れつつ浮沙浮きても吾はありわたるかも」....
「岩波文庫論」より 著者:岩波茂雄
に驚いた。讃美、激励、希望等の書信が数千通に達した。「私の教養の一切を岩波文庫に
托する」などという感激の文字もあった。私はよい仕事だ、高貴な永遠の事業だ、達成す....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
密の使命を果すに適当な人物では決してなかった。二葉亭の人物を見立ててそんな使命を
托する人もあるまいし、托せられて軽率に応ずる二葉亭でもなかった。かつもしそんな使....
「二葉亭追録」より 著者:内田魯庵
また手腕がなかったかも知れぬが、頭の中の経綸は決して空疎でなかった。もし小説に仮
托するなら矢野龍渓や東海散士の向うを張って中里介山と人気を争うぐらいは何でもなか....
「層雲峡より大雪山へ」より 著者:大町桂月
に陥りて、出るに出られず、食うに物なく、弱り果てて力なき身を渓流の中の膚寸の地に
托するものなるべし。空しく死を待つよりは、今一度活路を求めて見よとて、杖にてとぐ....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
詞で立派に議論が出来る。
詞で学問の系統が組み立てられる。
詞に都合好く信仰を
托することが出来る。
詞の上ではグレシアのヨタの字一字も奪われない。
学....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
しょう。でしょうがね、何かあればこれ見よがしだ。見識|面をしくさる。役人共とは結
托する。勝手気儘のし放題で、宿屋仲間の公徳を蹂躙する。………」 公徳がおかしい....