扞格[語句情報] » 扞格

「扞格〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

扞格の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
蘭学事始」より 著者:菊池寛
破したい大望を懐いていた。 最初、一、二年は、良沢と玄白との間に、なんら意見の扞格《かんかく》もなかった。が、彼らの力が進むに従って、二人はいつも同じような口....
彼岸過迄」より 著者:夏目漱石
の命を虫の息のように軽《かろ》く見る彼は、理と情《じょう》との間に何らの矛盾をも扞格《かんかく》をも認めなかった。彼の有する凡《すべ》ての知力は、ことごとく復讐....
時代閉塞の現状」より 著者:石川啄木
主義を唱《とな》える人と主観の苦悶《くもん》を説く自然主義者との心境にどれだけの扞格《かんかく》があるだろうか。淫売屋《いんばいや》から出てくる自然主義者の顔と....
浮雲」より 著者:二葉亭四迷
はんもん》にも相感じ、気が気に通じ心が心を喚起《よびおこ》し決して齟齬《そご》し扞格《かんかく》する者で無い、と今日が日まで文三は思っていたに、今文三の痛痒《つ....
三面一体の生活へ」より 著者:与謝野晶子
世界生活も摂取され、世界生活という中に同じく他の二つの生活が内含されていて、何の扞格も凝滞も発見されず、極めて平和であるのです。私は誰にも明瞭なこの共通の実感と....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
いうはまさかの時には何の役にも立たない空理空文である。欧洲列強間の利害は各々|相扞格していても、根が同文同種同宗教の兄弟国だから、率となれば平時の葛藤を忘れて共....