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「扶け〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

扶けの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
訳がいろいろな点でなるべくこの先駆者と違った特色をもつようにして、そうして両々相扶けて原著の全豹を伝え得るようにしたいと思って、そういう意識をもってこの仕事に取....
薬草取」より 著者:泉鏡花
斗を打って仰様に転ぶと、滝のような雨の中に、ひひんと馬の嘶く声。 漸々人の手に扶け起されると、合羽を解いてくれたのは、五十ばかりの肥った婆さん。馬士が一人|腕....
縷紅新草」より 著者:泉鏡花
「それじゃ、私たち差出た事は、叱言なしに済むんだね。」 「ほってもねえ、いい人扶けして下せえましたよ。時に、はい、和尚様帰って、逢わっせえても、万々沙汰なしに....
湯女の魂」より 著者:泉鏡花
まする。 介添の女はわざと浮いた風で、 「さあ御縁女様。」 と強く手を引いて扶け入れたのでありまする。お雪はそんな中にも、極が悪かったと見え、ぼんやり顔をば....
黒百合」より 著者:泉鏡花
の怪我を見ると、我を忘れたごとく一飛に走り着いて、転んだ地へ諸共に膝を折敷いて、扶け起そうとする時、さまでは顛動せず、力なげに身を起して立つ。 「どこも怪我はし....
星女郎」より 著者:泉鏡花
雲から吐出されたもののように、坂に突伏した旅人が一人。 ああ、犠牲は代った。扶け起こすと、心なき旅人かな。朝がけに禁制の峠を越したのであった。峰では何事もな....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
りいつでも逢える……。』 一|応お話が終った時に、神様はやおら私の手を執って、扶け起こしてくださいました。『そなたも一つ元気を出して、歩るいて見るがよい。病気....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
少くともわれ等の境涯に見出さるる一対の男女は、趣味と能力とが一致して居り、互いに扶け合いつつ、進歩の階段を上昇することのできる人達である。われ等には霊的教育がす....
些細な事件」より 著者:井上紅梅
そこに巡査の派出所があった。大風の後で外には誰一人見えない。あの車夫があの老女を扶けながらちょうど大門《おおもん》の方へ向って歩いている。 わたしはこの時突然....
取舵」より 著者:泉鏡花
、お難有う存じます。ああ、南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏。」 優しくも学生は盲人を扶けて船室を出でぬ。 「どッこい、これから階子段だ。気を着けなよ、それ危い。」 ....
春昼後刻」より 著者:泉鏡花
乱して、繕いもなくはらりと折敷き、片手が踏み抜いた下駄一ツ前壺を押して寄越すと、扶け起すつもりであろう、片手が薄色の手巾ごと、ひらめいて芬と薫って、優しく男の背....
橋の上」より 著者:犬田卯
て、さぶちゃんとも、綾子とも、ふっつりと交渉の断絶を意味していた。 圭太は母を扶けて貧しい父なきあとを働かなければならなかった。 秋の取り入れがすみ、そして....
瓜の涙」より 著者:泉鏡花
に先立って来たのが、あるき悩んだ久我どのの姫君――北の方を、乳母の十郎|権の頭が扶け参らせ、後れて来るのを、判官がこの石に憩って待合わせたというのである。目覚し....
遠野の奇聞」より 著者:泉鏡花
女、美しき褄も地につかず、宙に下る。黒髪を逆に取りて、巌の天井にひたとつけたり。扶け下ろすに、髪を解けば、ねばねばとして膠らしきが着きたりという。もっともその女....
式部小路」より 著者:泉鏡花
思いましたがね、口へ入ったなあ冷酒の甘露なんで。呼吸を吹返すと、鳶口を引掛けて、扶け出してくれたのは、火掛を手伝ってました、紋床の親方だったんでさ。 焼あとへ....