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扶植
「扶植〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
扶植の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「運命」より 著者:幸田露伴
至りて業を卒る。其の書の体たるや、水滸伝平妖伝等に同じと雖も、立言の旨は、綱常を
扶植し、忠烈を顕揚するに在りというを以て、南安の郡守|陳香泉の序、江西の廉使劉在....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
の競争者で薩摩に名高い中将|斎彬の弟にあたる島津久光がすでにその勢力を京都の方に
扶植し始めたことを知り、さらに勅使|左衛門督大原|重徳を奉じて東下して来たほどの....
「私たちの建設」より 著者:宮本百合子
うと努力して来た。皇后にするか、さもなければ中宮として、血をとおして一家の権力を
扶植して来た。その必要から、自分の娘たちの身辺を飾り宮廷社会の陰険な競争に対して....
「社会時評」より 著者:戸坂潤
は出来ているわけだ。日本精神文化研究所というのは今度出来た思想局の伊東局長が勢力
扶植のための予算取りと、鳩山文相の議会に於ける答弁用とに造ったものだとさえ云われ....
「新疆所感」より 著者:日野強
その鋒鋩を収め、一時慎重の態度を装うといえども陰にその爪牙を磨き、孜々として勢力
扶植の道を講じ今や漸次再びその萠芽を発せんとするもの少からざるを覚ゆ。 なかん....
「安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
私の人間味を忌憚なく縦横に評論して戴きたい。戦後派諸人の反省する所となり、人道の
扶植に寄与するあらば幸甚である。或人は「恋は内証にすべきもので公然なすべきもので....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
たのである。 前にも申した通り、私の弟子を取った目的は我が木彫の勢力を社会的に
扶植しようということにあったというよりも我が木彫芸術の衰頽を輓回するということに....
「漱石氏と私」より 著者:高浜虚子
成候人なるが、非常に新派の俳句に熱心忠実なる人に有之、実は今回の挙なども新派勢力
扶植のための計画に候。左すれば『ほととぎす』発行者などは大に声援引き立ててやる義....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
で盛んに商売するのは、当人自身は金儲けより外考えないでも、これが即ち日本の勢力を
扶植する所以であるから、商売の種類は何であろうとも関わぬ、海外の金儲けは即ち国富....
「空中征服」より 著者:賀川豊彦
ある。 「私は鰌の説に反対します。彼はあまりに利己的であります。彼は自己の勢力の
扶植にのみ努め、朝から晩まで泥を食うておる下等動物であります。彼のごときものに二....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
その中でも、抜群な男ぶりの者は、主家へ推挙しても一つの奉公ともなるし、自己の勢力
扶植にもなる。 自己を、考えるような奉公人では、侍奉公の者として、頼母しくない....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
中国へ赴任して、自然、調べ上げた機密によれば、師直が地方武士のあいだに自己勢力を
扶植しようと計っている諸沙汰には将来恐るべき下心がはっきり見える。いまに臍をお噛....
「「特殊部落」と云う名称について」より 著者:喜田貞吉
では、源平武士の棟梁たる程の豪傑が、自ら摂政関白などの家人となって、自家の勢力を
扶植する。所謂一人の跨に入りて万人の頭を越ゆるもので、平将門は摂政藤原忠平の家人....