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承る
「承る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
承るの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
は指の間に短い巻煙草を挟んだまま、賢造の代りに返事をした。
「なおあなたの御話を
承る必要もあるものですから、――」
戸沢は博士に問われる通り、ここ一週間ばかり....
「玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
宴《うたげ》のみぎりに、身の内より怪しき光りを放って嵐の闇を照らした者があるとか
承る。神明仏陀《しんめいぶつだ》ならば知らず、凡夫《ぼんぷ》の身より光明を放つと....
「小田原陣」より 著者:菊池寛
共に黒田如水の所へ預けられていた。秀吉、左馬介を憎んで殺せと、如水に命じた。如水
承ると云って、左馬介を殺さずして、長男の新六郎を殺してしまった。秀吉怒って、何と....
「火星探険」より 著者:海野十三
が張《チャン》をからかっていった。 「こうなったら、牛頭大仙人の予言をつつしんで
承るより方法がないよ。おい牛頭の仙ちゃん、一つ水晶の珠で占っておくれよ」 「だめ....
「天守物語」より 著者:泉鏡花
甘露、諸白もござります、が、お二人様のお手鞠は、唄を聞きますばかりでも寿命の薬と
承る。かように年を取りますと、慾も、得も、はは、覚えませぬ。ただもう、長生がしと....
「白金之絵図」より 著者:泉鏡花
尋ねる家が、余り知れないで、既に車夫にも見離されました。足を曳いて、雷神坂と
承る、あれなる坂をば喘ぎましてな。 一旦、この辺も捜したなれども、かつて知れず....
「縷紅新草」より 著者:泉鏡花
。」 「しばらく、しばらく、まあ、待っておくれ。これは思いも寄らない。唐突の儀を
承る。弱ったな、何だろう、といっちゃなお悪いかな、誰だろう。」 「ほんとに忘れた....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
思った瞬間に、私の姿はいずくともなく消えて失せて了いました。 後でお爺さんから
承るところによると、私というものはその時すっかり御幣の中に入って了ったのだそうで....
「番町皿屋敷」より 著者:岡本綺堂
野は今夜の会合に就いて主人の播磨にいった。 「貴公の家には稀代の高麗皿があるとか
承る。あすの夜には是非一度拝見いたしたい」 「承知いたした」 播磨は快く承知し....
「多神教」より 著者:泉鏡花
。貴女様み気色に触る時は、矢の如く鬢櫛をお投げ遊ばし、片目をお潰し遊ばすが神罰と
承る。恐れ恐れ。(手綱を放たれたる蘆毛は、頓着なく衝と進む。仕丁は、ひょこひょこ....
「勧善懲悪」より 著者:織田作之助
――頼み方が悪いから、用達出来ぬ」 との挨拶だった。 「――これは異なることを
承る。拙者の頼み様がよろしからずとは、何をもって左様申されるか」 と、満右衛門....
「葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
。汝またかりん糖の仮色を使って口上を忘れるな。」 坐睡をしていたのか、寝惚面で
承るとむっくと立ち、おっと合点お茶の子で飛出した。 わっしょいわっしょいと謂う....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
ますのを面白がって、至極の鉄拐、殊の外稲荷が贔屓であったので、若先生の髪も紋床が
承る。 (どうです豪傑、蝦蟇の膏じゃあ不可ませんか。)と薬局に痛めつけられて、い....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
エリザベスは間断なくベエコンに諮問した。ベエコンもいまは女王と伯爵の間の仲介役を
承ることとなったわけである。ベエコンは、女王に許しを乞う念入りな手紙を、エセック....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
』で、「代々伝へたる家領ことごとく譲りあたへ、たびたび朝家に採用せられて、勅撰を
承る家督には秘し教へぬ事を、庶子に授くる事」があろうや。無下に俗な歌などは「家の....