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「承塵〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

承塵の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
余興」より 著者:森鴎外
ね」 こう云って置いて、三枝は元の席に返ってしまった。 私は始て気が附いて、承塵に貼り出してある余興の目録を見た。不折まがいの奇抜な字で、余興と題した次に、....
天守物語」より 著者:泉鏡花
いたい。 薄 お供御苦労に存じ上げます。あなた、お姫様は。 朱の盤 (真仰向けに承塵を仰ぐ)屋の棟に、すでに輿をばお控えなさるる。 薄 夫人も、お待兼ねでござい....
七宝の柱」より 著者:泉鏡花
柱の光をうけて、ぱっと金色に飜るのを見た時は、思わず驚歎の瞳を瞠った。 床も、承塵も、柱は固より、彳めるものの踏む処は、黒漆の落ちた黄金である。黄金の剥げた黒....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
て、客にも呼ばれ、呼びもしたものだに、あのギラギラした小刀が、縁の下か、天井か、承塵の途中か、在所が知れぬ、とあっては済まぬ。これだけは夜一夜さがせ、と中に居た....
神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
銑吉を上らせまいとするのである。 第一|可恐いのは、明神の拝殿の蔀うち、すぐの承塵に、いつの昔に奉納したのか薙刀が一振かかっている。勿論誰も手を触れず、いつ研....
星女郎」より 著者:泉鏡花
山伏は膝の上で手を拡げた。 「昔|修行者が、こんな孤家に、行暮れて、宿を借ると、承塵にかけた、槍一筋で、主人の由緒が分ろうという処。本箱は、やや意を強うするに足....
武蔵野」より 著者:山田美妙
睡して、さばれ、いざ呼び起そう」 忍藻の部屋の襖を明けて母ははッとおどろいた。承塵にあッた薙刀も、床にあッた※帷子も、無論三郎がくれた匕首もあたりには影もない....
顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
ひろった嬉しまぎれで、金に糸目をつけぬ豪勢な祝儀。 格天井を金泥で塗りつぶし、承塵《なげし》造りの塗ガマチに赤銅|七子《ななこ》の釘隠しを打ちつけた、五十畳の....