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「抄い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

抄いの前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
白菊」より 著者:夢野久作
廊下から芝生の上に飛び出した。と、思った瞬間に、何かしら人間らしいものから片足を抄い上げられたと思うと、モンドリ打って芝生の上にタタキ付けられた。 ……息が詰....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
初であった。 彼の兄は彼に劣らぬ蛇嫌いで、ある時家の下の小川で魚を抄うとて蛇を抄い上げ、きゃっと叫んで笊を抛り出し、真蒼になって逃げ帰ったことがある。七八歳の....
墓が呼んでいる」より 著者:橘外男
気がしたか、遠くの海を眺めながら、そして庭の緑に眼を放ちながら、麺麭をちぎり卵を抄い……私が饑えを満たしている間、娘二人は両端に座を占めて、紅茶を飲みながら久し....
大利根の大物釣」より 著者:石井研堂
縦ち、引いては縦ち、幾ら痿やそうとしても、痿えないでしよう。やや暫くかかって漸く抄い上げて見ると、大きな塩鮭程なのでしょう。私が急いで雑巾を取るか取らないに、(....
牛鍋からすき焼へ」より 著者:古川緑波
たと絶讃してある。 僕の昭和十一年三月三日の日記が、此の橋本に触れているので、抄いてみる。 ……浜町の橋本へ、牛肉を食いに行く。肉はいいが、ワリシタが、いけ....
下司味礼賛」より 著者:古川緑波
米なんどは一流の料理屋にあがるのが、通だと思ってるんだからね。…… というのが抄いてある。 そうなんです、全く。一流の料理屋というのは、つまり、上品で高い料....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
い起し、短刀を抜いて、突っかけて来た。 引っぱずして、 「この鼠賊」 と体を抄い込み、どんと、次の部屋まで投げつけると、その脚か手が、炉の上の自在鉤へぶつか....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
べいわずと」 「嫌だっ」 「いやだと」 いうより早く、ひとりの仲間が、彼の足を抄いあげた。鐙に足の届いていない伊織の体は、苦もなく、馬の向う側へ転げ落ちた。 ....