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把手
「把手〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
把手の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「婦系図」より 著者:泉鏡花
になって、三人|揉重なって、車掌台へ圧されて出ると、先から、がらりと扉を開けて、
把手に手を置きながら、中を覗込んでいた運転手が、チリン無しにちょうどそこの停留所....
「階段」より 著者:海野十三
ない。僕は仕方なく、室を飛び出すと、ミチ子の所在を知るために、事務室へ出かけた。
把手を廻し扉を内側へ押しあけたが、室にはミチ子も佐和山女史も居なかった。それでは....
「空中墳墓」より 著者:海野十三
遠鏡に吸いついたようになっていた。月が隠れるまでにもうあと二分|弱。 「こちらに
把手があります。これをねじると、ピントが月の表面からだんだんと地球の方へ近よって....
「恐しき通夜」より 著者:海野十三
ホト、ホトと、入口の重い扉の叩かれる音。二人は、顔を見合わせた。 クルクルと
把手の廻る音がして、扉がしずかに開く。そのあとから、ソッと顔が出た。 色の浅ぐ....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
装だった。彼は中佐の姿の消えた扉の前に、躍り出ると、手袋をはいたまま、力を籠めて
把手をひっぱってみたが、扉はゴトリとも動かなかった。 そこで彼はニヤニヤと笑う....
「鞄らしくない鞄」より 著者:海野十三
のものと思われる鞄は、赤革のスーツケースにして、大きさに不相応なる大型の金具及び
把手《ハンドル》を備《そな》え居り、その蓋を開きみたるに、長さ二尺ばかりの杉角材....
「宇宙尖兵」より 著者:海野十三
と思う程のなさけない気持でもって送った。 その間に、僕は戸口のところへいって、
把手を廻して押してみた。扉は錠が下りているらしく、押せども蹴れども、開きはしなか....
「怪塔王」より 著者:海野十三
かどうかやってみよう」 といいながら、帆村は注意ぶかくゴムの手袋をはめ、ドアの
把手を握っておしてみましたが、びくとも動きません。 4 怪塔王は、塔....
「崩れる鬼影」より 著者:海野十三
れッ!」サッと警部の手が扉の方を指しました。 黒田巡査が最先に飛び出して、扉の
把手に手をかけると、グッと押しました。 「オヤ、あかないぞ」 ウーンと力を入れ....
「空襲下の日本」より 著者:海野十三
、まだ灯火の点かない真暗な鏡面をジリジリ細かく旋廻している。点減手はスウィッチの
把手を握りしめている。もう耳にも敵機の轟々たる爆音がよく聞きとれた。 「射ち方始....
「白金之絵図」より 著者:泉鏡花
摺って、尻尾を巻いて吠えかかる。 「畜生、叱……畜生。」と拳を揮廻すのが棄鞭で、
把手にしがみついて、さすがの悪垂|真俯向けになって邸町へ敗走に及ぶのを、斑犬は波....
「灯明之巻」より 著者:泉鏡花
て、 「首くくりでもなけりゃいいが、道端の枝に……いやだな。」 うっかり緩めた
把手に、衝と動きを掛けた時である。ものの二三町は瞬く間だ。あたかもその距離の前途....
「米」より 著者:犬田卯
械を扱いかねている由次と勝の動作にも同様に腹が立った。 「馬鹿野郎ら、そんな風に
把手を下げる奴があるもんか、空廻りしちまって何度やっても駄目だねえか。
把手を上へ....
「J・D・カーの密室犯罪の研究」より 著者:井上良夫
の一端に、はげしく引張れば解けて来る結び方の輪を一つ作っておき、この輪をボルトの
把手にかける。他端はその儘ドアの下から室外に出す。こうしておいて外からドアをとじ....
「透明人間」より 著者:ウェルズハーバート・ジョージ
だし、バタンと閉めた。カギがない。透明人間が内側から開けようとして、博士がにぎる
把手をひねった。その力は、ものすごく強かった。博士はドアを開けさせまいとして、奮....