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抑える
「抑える〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
抑えるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「古千屋」より 著者:芥川竜之介
中へ踊《おど》り上ろうとした。それはまた左右の男女《なんにょ》たちの力もほとんど
抑えることの出来ないものだった。凄《すさま》じい古千屋の叫び声はもちろん、彼等の....
「湖南の扇」より 著者:芥川竜之介
《あざけ》るように何か言い放った。含芳は確かにはっとしたと見え、いきなり僕の膝を
抑えるようにした。しかしやっと微笑したと思うと、すぐに又一こと言い返した。僕は勿....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
沈淪しなければなりますまい。が、たった二日の間に、どうしてあの怪しい婆を、取って
抑える事が出来ましょう。たとい警察へ訴えたにしろ、幽冥《ゆうめい》の世界で行われ....
「星座」より 著者:有島武郎
慢がしていられなかった。母がいてくれさえすればと思った。口惜涙を抑えようとしても
抑えることができなかった。そしてハンケチを取りだす暇もないので、両方の中指を眼が....
「野菊の墓」より 著者:伊藤左千夫
親の希望に従ったのです。親のいいつけで背《そむ》かれないと思うても、道理で感情を
抑えるは無理な処もありましょう。民子の死は全くそれ故ですから、親の身になって見る....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
筋の係が、其奴を附廻して、同じ夜の午前二時頃に、浅草橋辺で、フトした星が附いて取
抑えると、今度は袱紗に包んだ紙入ぐるみ、手も着けないで、坂田氏の盗られた金子を持....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
由である(二八頁)。 新しく統制に入るには、自由主義時代に行き過ぎた私益中心を
抑えるために、最初は反動的に専制即ち強制を相当強く用いなければならないのは、やむ....
「春の潮」より 著者:伊藤左千夫
省作の事であるから、それを俄かに行為の上に現わしては来ないが、わが身の進転を自ら
抑える事のできない傾斜の滑道にはいってしまった。 こんな事になるならば、おとよ....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
のところまで、三貫で行け」 通りすがりの円タクが「旦那、三貫じゃあ」というのを
抑えるようにして、 「いつも三貫に決めてあるんだ。ものの、五分間もかからないじゃ....
「振動魔」より 著者:海野十三
不浄はないのですか?」 夫人は顔をすこしばかり顰め、片手を曲げて下ッ腹をグッと
抑えるようにしていた。その言葉を聞いた柿丘は、頭がグラグラとするのを覚えて、思わ....
「共軛回転弾」より 著者:海野十三
人は度胸のある者、ベラントがノック・アウトされたと見て、前にとびだして博士の腕を
抑える。 「今お呼び下すったルス嬢でございます。仰有ったとおりのわけですから、ぜ....
「成長が生んだ私の恋愛破綻」より 著者:伊藤野枝
くらいです。 しかし、私をこうした心持に導くのもいつも子供でしたが、この心持を
抑えるのも不思議にまた子供だったのです。それと、もう一つはTのあの深いメランコリ....
「狂人日記」より 著者:秋田滋
動物を捕えたりすると、それを殺す。しかし、ただそれだけでは、われわれの中にある、
抑えることが出来ない殺戮の要求を満たすに足りない。われわれには人さえ殺す必要があ....
「錦紗」より 著者:犬田卯
た。軽蔑していた占い者へ、やっぱりすがろうとする気持が、むらむらと起ってくるのを
抑えることが不可能だった。占いをする人というのは渡りもので、十年ばかり前にこの村....
「米」より 著者:犬田卯
、利き目さえあればなア……などとつい妻に向って浴せかけたくなる衝動を、彼はじっと
抑えるのに骨を折った。 おせきは肥料のことについては、もはや何も言わなかった。....