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投函
「投函〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
投函の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
気がついた時、無意識にあの別荘番を予期していた私は、折よく先刻書いて置いた端書の
投函《とうかん》を頼もうと思って、何気なくその方を一瞥した。するとその襖側《ふす....
「耽溺」より 著者:岩野泡鳴
き出した。 僕は手をたたいて人を呼び、まだ起きているだろうからと、印紙を買って
投函することを命じた。一つは、そこの家族を安心させるためであったが、もし出来ない....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
むこうから来るのには所が書いてありませんし、こっちから出す奴はいつも浅田が自身で
投函するらしいのです」 「ふん、そいつは怪しいな。岸本君、もう一度骨折頼むよ」 ....
「闘争」より 著者:小酒井不木
は却って観破される虞があるから、投書の方だけを誰か腹心の人に預けて置いて、あとで
投函してもらったのではないでしょうか。現に、遺書を自作にしなかったのも、やはり、....
「什器破壊業事件」より 著者:海野十三
で持って出るんです。いいですか」 「大花瓶を壊すことは分りましたが、翌朝ハガキを
投函にいくといって、なんのハガキをもって出るのですか」 「誰あてのでもいいですよ....
「外来語所感」より 著者:九鬼周造
ど「カレンダー」かなと思ったが、いくぶんか呆気にとられた。もっとも私自身も郵便を
投函する必要のあるとき自動車の運転手に「郵便函があったら留めてくれ」といおうか「....
「ジーキル博士とハイド氏の怪事件」より 著者:佐々木直次郎
抑え、一通はラニョンに、一通はプールに宛てた、二通の重要な手紙を書きあげ、それが
投函されたという実証を受けとりたいために、それを書留にするようにという指図を与え....
「帝銀事件を論ず」より 著者:坂口安吾
りも、窮乏にたえて敢えて罪を犯さざる多数の同胞への信頼を持たねばならぬ。 料金
投函を民衆の勝手にまかせた公衆電話からは、通話数以上の料金が現われたというではな....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
日を確かめることができる」 と直ちに問い合わせてみると依頼状は三月十一日の午後
投函。すると、十三日、おくれても十四日には周信がそれを読んでる筈だ。 「なんとい....
「貞操問答」より 著者:菊池寛
し、貴女のご辛労たいへんでしょう。では、お目もじの上、いろいろと。失礼。 準之助
投函して、二時間くらいで来た速達のような手紙であった。 新子は、その手紙を見る....
「紅色ダイヤ」より 著者:小酒井不木
以上聞いては嫌だよ」 あくる朝俊夫君は、昨夜、叔父さん宛てに書いたという手紙を
投函してくると言って出かけたまま、正午頃まで帰ってきませんでした。俊夫君は出がけ....
「春」より 著者:岡本かの子
らしいものを取出し、ポストの口へ投げ込んだ。それから一度右手を引いたが今度は指を
投函口の中へ出来るだけ深く突込んで、根気よく中を探る様子、暫くして指を引き出し、....
「旅客機事件」より 著者:大庭武年
届け出ず。 一、墜死者綿井茂一は、D飛行場出発前、飛行場員に託し、一封の手紙を
投函せんとした。場員は受取った儘おいたが、事件報知と共に、警察官立会の上開封した....
「おばけずきのいわれ少々と処女作」より 著者:泉鏡花
生に発見せられ、一喝「お前はなぜそんな見苦しい事をする。」と怒鳴られたので、原稿
投函上の迷信は一時に消失してしまった。蓋し自分が絶対の信用を捧ぐる先生の一喝は、....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
ンデスの月 六日、晴れ。当日は市内を散歩し、帰りて日本へ向け年賀状をしたためて
投函す。夜に入り一天雲なく、明月玻窓に入ること前夕のごとし。 七日、晴れ。南部....