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「投宿〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

投宿の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
恋を恋する人」より 著者:国木田独歩
い、開き見ると、 前略我等両人当所に於て君を待つこと久しとは申兼候え共、本日御投宿と聞いて愉快に堪えず、女中に命じて膳部を弊室《へいしつ》に御運搬の上、大いに....
春の潮」より 著者:伊藤左千夫
へ降りてくる。 お千代は北の幸谷なる里方へ帰り、省作とおとよは湖畔の一|旅亭に投宿したのである。 首を振ることもできないように、身にさし迫った苦しき問題に悩....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
ことになる。 地名も旅館の名もしばらく秘して置くが、わたしが曾てある温泉旅館に投宿した時、すこし書き物をするのであるから、なるべく静かな座敷を貸してくれという....
天馬」より 著者:金史良
親交のある、東京文壇の作家田中が、満洲へ行くついでに京城へ立ち寄って朝鮮ホテルに投宿しているということをそれは知らしていたのだ。 「行かねばならん」 玄竜はぶ....
臨時急行列車の紛失」より 著者:新青年編輯局
ァプール汽船会社のよりは賃金も廉い。もしお前がここへ来てくれて、ジョンストン館へ投宿するなら自分は何等かの方法で、お前に会う手段を講ずるつもりである。しかし現在....
安吾巷談」より 著者:坂口安吾
落ちした。その細君が三人だか四人だかの子供をつれて熱海まで追ってきて、さる旅館に投宿したが、思いつめて、子供たちを殺して自殺してしまった。一方、亭主と情婦も、同....
指輪一つ」より 著者:岡本綺堂
しい人相や風俗の女はひとりも泊まらないらしかった。 ただひと組、九月九日の夜に投宿した夫婦連れがある。これは東京から長野の方をまわって来たらしく、男は三十七八....
怪獣」より 著者:岡本綺堂
の春、職人を入れてすっかり取毀させて、新しく建て直したのですよ。」 今度初めて投宿した私は、広い旅館の全部を知らないのであるが、小使らの説明によると、曽田屋の....
夜の構図」より 著者:織田作之助
その目的で伊都子は九州から、信吉は大阪から、それぞれ上京してたまたま第一ホテルに投宿したのである。 自作の脚本の上演を見るために、わざわざ上京して来たというこ....
実感」より 著者:織田作之助
端からこき下す時と同じ調子だと、情なかった。 秋の夜、目の鋭いみすぼらしい男が投宿した。宿帳には下手糞な字で共産党員と書き、昨日出獄したばかりだからとわざと服....
温泉雑記」より 著者:岡本綺堂
とになる。 地名も旅館の名もしばらく秘しておくが、わたしがかつてある温泉旅館に投宿した時、すこし書き物をするのであるから、なるべく静かな座敷を貸してくれという....
平ヶ岳登攀記」より 著者:高頭仁兵衛
で遣すという意を告げて去った、須田でゆっくりしていたので、夕刻に橡尾又の自在舘へ投宿した、荷物と人夫の都合があるので、自分の従者の渡辺権一を大湯の東栄舘に宿させ....
墓が呼んでいる」より 著者:橘外男
みても仕方のないことと、私も諦めた。 小浜に引き返し、牧田氏の案内で亀屋旅館に投宿する。 先刻の都留五八氏が訪ねて来てくれた。夕食後、牧田氏、都留氏と卓を囲....
活人形」より 著者:泉鏡花
終汽車に乗り込みて、日影ようよう傾く頃、相州鎌倉に到着なし、滑川の辺なる八橋楼に投宿して、他所ながら赤城の様子を聞くに、「妖物屋敷、」「不思議の家、」あるいは「....
鉄の処女」より 著者:大倉燁子
りません。屍体は帝大の方で解剖することになっています』 なお二三の新聞は夫人が投宿していたふじやホテルの支配人の談として、 『伯爵夫人は昨日の午後、伯爵からお....