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投薬
「投薬〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
投薬の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
棟《べつむね》の病人だまりにこれを移獄して、形ながらもお牢屋付きのご官医がこれに
投薬する習慣でありました。もっとも、これは名目ばかりで、多くの場合めんどうなとこ....
「奈々子」より 著者:伊藤左千夫
来たのは井戸ばたに夕日の影の薄いころであった。自分は今井とともに牛を見て、牧夫に
投薬の方法など示した後、今井獣医が何か見せたい物があるからといわるるままに、今井....
「ゴールデン・バット事件」より 著者:海野十三
ネ」 「ありませんとも」そういった丘田医師の顔は、心持ち蒼かった。 「では一つ、
投薬簿の方を見せて下さいませんか」 「
投薬簿ですか。そうです、あれは向うの室にあ....
「黄鳥の嘆き」より 著者:甲賀三郎
殺だと考えられる点が全然ないではないか。 過失死とすると――そうだ、太田医師の
投薬の誤りかも知れない。野村はぎょっとした。医師が自分の過失を隠す。之はあり得る....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
どやって居た。而して去年の秋の暮、胃病とやらで服薬して居たが、ある日医師が誤った
投薬の為に、彼女は非常の苦痛をして死んだ。彼女の事を知る信者仲間には、天罰だと云....
「八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
とに死にましょうか?」お石はほとんど半狂乱である。 「天野北山は蘭医の大家、診察
投薬神のような人物、死ぬと云ったら死ぬであろう」弓之進も愁然と云う。 二人は愛....
「草藪」より 著者:鷹野つぎ
えてあげた。主任さんは 「そういう変化は一日でも二日でも黙っていては困りますよ。
投薬の関係もありますからね」ととよ子に注意した。 かの女はあとでなんとなく寂し....
「世界の一環としての日本」より 著者:戸坂潤
値が生じて来るのである。単に診断や治療技術やアドバイスについてだけではなく、処方
投薬においても、ブルジョア社会の法律はこの医学乃至医術の高価な神聖味を保護してい....
「舞踏病」より 著者:豊島与志雄
まあいろいろ診察してみましたが、その日はとうとう分らずじまいです。それで一寸した
投薬をして帰しました。 ところで、問題はその子供ではなくて、母親の方です。お召....
「肝臓先生」より 著者:坂口安吾
しければ、風雨にめげず三年五年往診をつづけて、一文の料金を得たこともない。むしろ
投薬の度に※卵や新鮮な果実や魚などをひそかに添えて平癒の早からんことのみを祈って....
「新西遊記」より 著者:久生十蘭
)の葉を煮だした熱湯で足を罨法する。そういう殺人的な処置をしておいて、おもむろに
投薬を開始する。 侍医長がいちいち入念に毒見して医官に返す。まず檳榔子とタマリ....
「勧善懲悪」より 著者:織田作之助
たきである医者征伐を標榜し、これに全力を傾注した。「眼中仁なき悪徳医師」「誤診と
投薬」「薬価二十倍」「医者は病気の伝播者」「車代の不可解」「現代医界の悪風潮」「....
「日本料理の基礎観念」より 著者:北大路魯山人
人に無理|強いしてはなりません。相手をよく考慮して、あたかも医者が患者を診断して
投薬するごとく、料理も相手に適するものでなくてはなりません。そこに苦心が要るので....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
るのだ。むしろ直覚的にだね。僕の知っているH老先生なぞは、患者の顔色を見ただけで
投薬してしまう。病気の器が面前にあるのだ、何で手を執って診る必要があるというんだ....
「美食と人生」より 著者:北大路魯山人
、もったいないなど、昔の京都の家庭人のようなのは、一旦病を得ては、名医といえども
投薬のしようがなさそうである。中国人なども存外体格を具えているのは、食物に対する....