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「投身〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

投身の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
婦系図」より 著者:泉鏡花
肩で息をし、息をして、 「この頃は病気と張合う勇もないで、どうなとしてくれ、もう投身じゃ。人に由っては大蒜が可え、と云うだがな。大蒜は肺の薬になるげじゃけれども....
三つの窓」より 著者:芥川竜之介
いた顋を。…… この下士は罰をすました後、いつか行方不明になってしまった。が、投身することは勿論|当直のある限りは絶対に出来ないのに違いなかった。のみならず自....
金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
「もくもく」と云い、京洛の茶人はわざわざ自動車で水を汲ませに寄越す。情死するため投身した男女があったが、どうしても浮き上って死ねなかったという。いろいろな特色か....
河明り」より 著者:岡本かの子
の夫妻で、忽ち失敗した上、夫は病死し妻は、今更故郷へも帰れず、子を捨てて、自分は投身しようとしたが、子のことが気にかかり、望みを果たさなかった。そして西河岸の同....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
、わたしをお嫌いなさるが、わたしとても神になれないことはありません」 妻は河に投身して死んだ。それから七日目の夜に、彼女は夫の夢にあらわれた。 「あなたは神が....
火星兵団」より 著者:海野十三
。 「午後九時四十分のことです。千葉県から出て来た十三歳になる少年が、大川端から投身自殺――はて、おかしいぞ。大川端から、投身自殺をはかった年若い婦人があるのを....
女客」より 著者:泉鏡花
と、日に幾度考えたかね。 民さんも知っていましょう、あの年は、城の濠で、大層|投身者がありました。」 同一年の、あいやけは、姉さんのような頷き方。 「ああ。....
探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
の秋の出来事であったと伝えられている。相原医師の妻は与助を背負って、近所の山川へ投身した。妻は死んだが、幼い子は救われた。しかしその時に彼のからだにどんな影響を....
阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
の一本のまがい辮子だ。擬い物と来てはそれこそ人間の資格がない。彼の祖母が四度目の投身をしなかったのは善良の女でないと阿Qは思った。 その「偽毛唐」が今近づいて....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
すっかり話して聞かせた。 「あなたが今おっしゃった事と、今までの三人のうち二人の投身者と同じ船室にいた人がわたしに話された事と、ほとんど全く一致しています」と、....
鴛鴦鏡」より 著者:岡本綺堂
。あるいは自然に凸起して岩のように突き出ている所もある。それがために自殺を目的の投身者も往々その氷に触れて顔や手足を傷つけている場合があるので、お照の死体もその....
十年後のラジオ界」より 著者:海野十三
たとする。彼女は或る甚だ面目ないことを仕でかし、面目なさにシオらしく、ドボーンと投身自殺を果したとする。やがていよいよ死の国で、わがC子は正気づく。すると憩う遑....
良夜」より 著者:饗庭篁村
あながち往来の邪魔にはなるまじ」とやり返せば、「御身の様子何となく疑わしく、もし投身の覚悟にやと告ぐる者ありしゆえ職務上かく問うなり」と言うに、詮方なく宿所姓名....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
かに百四十六マイルを航進す。船長の語るところを聞くに、山下機関長行方不明、海中に投身せし形跡あり。これに加うるに、風波のために船行遅々たれば、石炭欠乏のおそれあ....
消えた霊媒女」より 著者:大倉燁子
郵船会社の欧洲航路の船に乗り換えた勝田さんが、香港へ着く前夜、遺書も残さず、謎の投身自殺を遂げたという報導がありました。 新聞にはただ極度の神経衰弱の結果とだ....