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投錨
「投錨〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
投錨の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「号外」より 著者:国木田独歩
――戦死者中福井丸の広瀬中佐および杉野兵曹長の最後はすこぶる壮烈にして、同船の
投錨せんとするや、杉野兵曹長は爆発薬を点火するため船艙におりし時、敵の魚形水雷命....
「小田原陣」より 著者:菊池寛
曾我部元親、加藤|嘉明、九鬼嘉隆等も各々その精鋭をすぐって、遠州今切港や清水港に
投錨して居るのだから、小田原城は丁度三面包囲を受ける形勢にある。 三月|朔日、....
「光と風と夢」より 著者:中島敦
ターファがサヴァイイを追われ、マノノに戻った由、確報あり。 七月十七日 最近|
投錨《とうびょう》したカトゥーバ号のビックフォード艦長を訪う。彼は、マターファ鎮....
「メールストロムの旋渦」より 著者:佐々木直次郎
ったでしょうが、その逆潮流が私どもをフリーメンの風下の方へ押し流し、そこで運よく
投錨することができたのでした。 私どもが『漁場で』遭った難儀は、その二十分の一....
「怪星ガン」より 著者:海野十三
しながら、司令艇の出入り口のうえに、こぶのようなものがすいついていた。あざやかな
投錨ぶりだ。 それから五分すると、そうほうの打ち合わせがうまくいって通路が開か....
「火薬船」より 著者:海野十三
んて、おもしろくねえことを、いうもんじゃない」 そのうちに、両船は相前後して、
投錨した。お互いに、すねにきずをもっていることとて、仏官憲の臨検を、極度に気にし....
「怪塔王」より 著者:海野十三
手をさまたげているのに―― 大爆発 1 怪塔は、ついに勿来関の
投錨地からぬけだし、大空むけてとびだしました。ここにふたたび怪塔ロケットとなって....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
も大きさのほどが知れるであろう。 なにしろここは南シナ海の真中のこととて軍艦は
投錨しようにも、錨は海底へとどかないので、太い縄でもって桟橋にゆわえつけるのであ....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
く――NYKの船でも予定より早く着くこともあるという実証のために――二日に神戸へ
投錨してしまったので、八日まで一週間近くも神戸桟橋の船内でぶらぶらとした。 が....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
れが最初から我々の頭にあるものですから、石巻とは言い条、寧《むし》ろここを我々の
投錨地《とうびょうち》――次第によっては当分、第二の根拠地と想像して、予定してや....
「宝島」より 著者:佐々木直次郎
で掘り出されてるようなものなのさ。」 私たちはちょうど海図に錨の記してある処に
投錨した。一方は本島、もう一方は骸骨島で、どちらの岸からも三分の一マイルばかりの....
「無人島に生きる十六人」より 著者:須川邦彦
、海の底が、砂でもどろでも岩でもかまわない、錨を入れなければならない。私は、 「
投錨用意」 の号令をかけた。つづいて、 「四十尋」 「三十尋」 と、深さをは....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
らない巨大なものである。これが全くわれわれの進路を妨害したために、われわれは再び
投錨して、氷のとけるのを待つのほかには、どうすることも出来なくなったのである。も....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
小嶼を波間に見ること数回なり。 二十八日、快晴。未明、タウンズビル湾前の島陰に
投錨す。八時半、箱形の小汽船に移り、行くこと四マイルにして同市に着す。市街は山麓....
「歌う白骨」より 著者:妹尾アキ夫
いやった。そしてノースフリートの煙突、グレーヴセンドの押し重なる屋根、人口稠密の
投錨所や、見えかくれにうずくまる砲台を後にしてローワーホープを出ると、しだいに眼....