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折しも
「折しも〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
折しもの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
がいわが家の西方で邀撃。 晴彦に「あれは危いぞ!」とこっちへ向いた一機を指した
折しも、ぱらぱらと火の子がB29の機体の下から離れたのがわが家よりやや西よりの上....
「海底都市」より 著者:海野十三
射である。 (ほう、ここは見覚えのあるタイム・マシーンの中だ!) と、気がつく
折しも、この金属壁の一部がぽかりと四角にあいて――そこが扉だったのだ――外からこ....
「宇宙戦隊」より 著者:海野十三
うっかり永くながめていようものなら、そのうちに頭がへんになってくる。 そういう
折しも、指揮官望月大尉ののった彗星一号艇が奇怪なる消失。あれよあれよといううちに....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
ぞ。全戦隊に呼びかけたものらしいが、はて何ごとが起ったのかしら」 と、いぶかる
折しも、下の飛行甲板から叩きつけるような爆音が起り、一台の飛行機がぶーんと滑走路....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
ぞ。」 雑誌に被せた表紙の上へ、巻紙を添えて出す、かな交りの優しい書で、 ――
折しも月は、むら雲に、影うす暗きをさいわいと、傍に忍びてやりすごし、尚も人なき野....
「琵琶伝」より 著者:泉鏡花
。だからね、私にどんなことがあろうとも叔母さんが気にかけないように。」 と謂う
折しも凄まじく大戸にぶつかる音あり。 「あ、痛。」 と謙三郎の叫びたるは、足や....
「照葉狂言」より 著者:泉鏡花
いとこそなりたれ、わがその時の泣声の殺されやすると思うまで烈しき悲鳴なりしかば、
折しも戸に倚りて夕暮の空を見たまいしが、われにもあらで走入りたまいしなりとぞ。さ....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
一所に吃驚したのは、茶店の女で、向うの鍵屋の当の敵、お米といって美しいのが、この
折しも店先からはたはたと堤防へ駆出したことである。故こそあれ腕車が二台。 ....
「狂女」より 著者:秋田滋
風がおきて僕自身も身動きが出来なかったので、ぼんやり肱掛椅子に凭りかかっていた。
折しも僕は重々しい律動的な跫音をきいた。普魯西の軍隊が来たのだ。そして僕は窓から....
「初雪」より 著者:秋田滋
この散歩路のほうに向って入口のついた、小粋な構えの小さな家が一軒あったが、
折しもその家から若い女がひとり出て来た。ちょっと立ちどまって散歩をしている人たち....
「暗号数字」より 著者:海野十三
の上には官庁のマークの入った小旗がたてられていた。 「ああこれだな」 と思った
折しも、車が帆村の前にぴたりと停り、中にいた四十がらみの鼻下に髭のある紳士が帆村....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
は我が疑われたる投身の人か、我未ださる者を救いたる事なし、面白き事こそ起りたれと
折しもかかる叢雲に月の光りのうすれたるを幸い、足音を忍びて近づきて見れば男ならで....
「葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
低い柳があたかも墓へ手向けたもののように果敢なく植わっている。土手は一面の蘆で、
折しも風立って来たから颯と靡き、颯と靡き、颯と靡く反対の方へ漕いで漕いで進んだが....
「迷信解」より 著者:井上円了
更まで読書し、精神大いに疲労を覚えしかば、しばらく休憩せんとて庭前を仰ぎ見るに、
折しも宵月夜のころなれば、月もはや落ちて暗かりけるが、縁の端にだれとも知らず、白....
「砧」より 著者:上村松園
に、恨みの砧打つとかや、衣に落つる松の声/\、夜寒を風やしらすらん」 秋酣の、
折しも円らかなる月のさし出づるころで都にある夫を想いながら空の一角を仰いで月を見....