折しもあれ[語句情報] » 折しもあれ

「折しもあれ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

折しもあれの前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
街頭から見た新東京の裏面」より 著者:杉山萠円
と見すかしていた。だから、それとなくこんな皮肉を云ったのではないかと記者は思う。折しもあれ、東京市長更迭に際して、こんな古めかしい漢語芝居が行われつつあるのを見....
ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
て夷の岬に到り、巌角に倚つて遥かに湾内の風光を望み、雁影を数へつゝ半宵に到りぬ。折しもあれ一人の女性あり。年の頃二八には過ぎじと思はるゝが、華やかなる袖を飜し、....
爆弾太平記」より 著者:夢野久作
の漁場漁港を巡廻し、三寸|不爛の舌頭を以て朝鮮出漁を絶叫する事、又、十二年間……折しもあれ日韓合併の事成るや、大河の決するが如き勢をもって朝鮮に移住する漁民だけ....
白くれない」より 著者:夢野久作
に肝を消しつ。片面鬼三郎生年二十四歳、此処に生命を終るかと観念の眼を閉ぢむとする折しもあれ、和尚の背後、方丈に通ふ明障子の半開きたる間より紫色の美しき物影チラ/....
踊る地平線」より 著者:谷譲次
義士のことは知らないが何がはじまったのかとびっくりして、通行人が足をとめている。折しもあれ――というほどのことでもないが――そこへ大殿堂ET小殿堂の方角から一台....
後の業平文治」より 著者:三遊亭円朝
の家に生れながら腑甲斐なし」 と我と我が心に愧じて、焚火の辺にてほッと息を吐く折しもあれ、怪しや弦音高く一枝の征矢は羽呻りをなして、文治が顔のあたりを掠めて、....
藪の鶯」より 著者:三宅花圃
ずいえばもろともに。いいはやされて今さらに。よしなきことをいいけりと。咄の絶ゆる折しもあれ。 カチカチカチ。オヤお昼飯《ひる》の柝《たく》でしょう。サア行きま....
ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
波を映しながら、遊楽館《カジノ》の大|玻璃窓《はりまど》の中に姿を現わし来たる。折しもあれやバロン山で打ち出す三発の号砲は、午後二時より催される謝肉祭仮装大行進....