折も折[語句情報] » 折も折

「折も折〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

折も折の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
失楽園殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
ていた。せめて四、五日もの静養と思い、切角無理を重ね作った休暇ではあったが、その折も折、構内に於いて失楽園と呼ぶ、研究所に奇怪な殺人事件が起ったのであるから、対....
幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
んだ者を、其の相談の未だ定まらぬ中に遣って来たとは、其所が探偵の機敏な所とは云え折も折、時も時だ、実に余は驚いた、余のみでない権田時介も驚いた、松谷秀子も驚いた....
恐怖の口笛」より 著者:海野十三
はたして弟四郎を殺した彼の恐るべき吸血鬼であるのかどうかハッキリ分らない。しかし折も折、この夕暗どきに人も通らぬ石垣裏の蕗の葉の下に寝ているとは、たしかに怪しい....
地球盗難」より 著者:海野十三
った。 そのとき、澄み渡った青空の中から、ブーンブーンという怪音が聞えて来た。折も折とて大隅学士はギョッとして身を引いたが、怪音は段々大きくなって、どうやらこ....
光の中に」より 著者:金史良
ろいだ。駆けて行って見れば、扉は倒れ雨と風の中に山田春雄が竦然として立っていた。折も折、稲光りがぴかぴか光ってそれは幽霊のようにおののいて見えた。 「どうしたん....
四次元漂流」より 著者:海野十三
紳士の留守宅に、おいて、このような奇怪な出来事が誰人にも知られずおこなわれている折も折、警視庁の捜査第一課はその主力をあげて三台の自動車に詰められ甲州街道をまっ....
幽霊船の秘密」より 著者:海野十三
長の言葉が本当だとすると、もうすぐなにごとか災難がこの和島丸のうえにくるらしい。折も折、このまっくらな夜中だというのに、なんということだろう。 「さあ、甲板へか....
神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
知らずにおりました。子育ての慈愛をなさいます、五月帯のわけを聞きまして、時も時、折も折ですし、……観音様。」 お誓が、髪を長く、すっと立って、麓に白い手を合わ....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
った。 この奇妙な報告だけでは、署の意見を動かす力にならなかったかも知れない。折も折、同じ署の管轄内で起った奇妙な出来事の報告がきていた。事件の主は、所も同じ....
夢殿殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
却って、神秘感を深める効果ともなって、渇仰の信徒が日に増し殖えて行った。その矢先折も折から、到底この世にあろうとは思われぬ不可思議な殺人事件が、寺内の夢殿に起っ....
備前天一坊」より 著者:江見水蔭
「御免なされませ」 「はて、まだ好いではないか。もう少し話相手していてほしい」折も折とて京橋の東袂近き所にて、屋島の謡曲の声。それぞ源之丞のおとずれとお綾の心....
おせん」より 著者:邦枝完二
町への道を左へ折れたために、狐につままれでもしたように、方角さえも判らなくなった折も折、彼方の本多豊前邸の練塀の影から、ひた走りに走ってくる女の気配。まさかと思....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
として専ら新劇の鼓吹に腐心していた逍遥は頻りに二葉亭の再起を促がしつつあったが、折も折、時なる哉、二葉亭はこの一家の葛藤の善後処分を逍遥に謀った結果、終に再び筆....
五重塔」より 著者:幸田露伴
は大変びっくりした。ええ鶴亀鶴亀、厭なこと、延喜でもないことを云う、と眉を皺むる折も折、戸外を通る納豆売りの戦え声に覚えある奴が、ちェッ忌々しい草鞋が切れた、と....
融和促進」より 著者:喜田貞吉
たいという目的を含めて、『民族と歴史』という個人雑誌を発行することになりました。折も折とて、たまたまその月の十七日に、内務省で細民部落改善協議会が開かれますし、....