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折れ釘
「折れ釘〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
折れ釘の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「癩」より 著者:島木健作
も知っていた。それを聞いて房内にある二、三の、ぼろぼろになった書物の裏表紙などに
折れ釘《くぎ》の先か何かで革命歌の一とくさりなどが書きつけてある謎《なぞ》が解け....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
引き挙げられました。こいつは伝馬町の牢屋をぬけ出して、まだ一丁も行かないうちに、
折れ釘を踏んで右の足の裏を痛めたので、遠いところへ行くことが出来ない。ほかの者と....
「恐怖の口笛」より 著者:海野十三
」 「ポントスは素晴らしい遺品をわれわれに残してくれました。それは壁の上一面に、
折れ釘でひっかいた遺書なんです。彼は吸血鬼に襲われたが、壁の中に入れられてから、....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
倒は容易でなかった。殊に長い年代にわたっているのであるから、筆跡も同一ではない。
折れ釘のような男文字のなかに糸屑のような女文字もまじっている。殆ど仮名ばかりで小....
「放浪の宿」より 著者:里村欣三
者が荷厄介な古行李同然の調子で、自分の体をやけ糞に投げ出すと、びょこッと時計屋が
折れ釘のように、起きあがって手を伸ばした。 「若いの! 三銭ばかりないか。腹が減....
「巷説享保図絵」より 著者:林不忘
に無一文になりました」
笑うようにいった。が、若松屋惣七の顔は、灰いろなのだ。
折れ釘のかたちをした筋が、こめかみにうき出ている。うつろに近い眼が、空《くう》の....
「国境」より 著者:黒島伝治
。それには、アルファベットとアラビア数字がきれぎれに、一字一字、全部で三十字ほど
折れ釘のように並んでいた。クヅネツォフは、対岸の、北の村に住んでいる富農だ。パン....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
。寝台は一室の四壁に、上下二段になりてできておる。しかして中央には、衣類をかける
折れ釘がたくさん付いてあるから、八人の衣服はことごとくこれにかけてある。あたかも....