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折悪し
「折悪し〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
折悪しの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「真景累ヶ淵」より 著者:三遊亭円朝
、早々《そう/\》立ちまして、せめて今夜は遅くも亀有まで行きたいと出かけまする。
折悪しく降出して来ました雨は、どう降《ぶり》で、車軸を流す様で、菊屋橋の際《きわ....
「地中魔」より 著者:海野十三
ここの井戸は深いせいか、実によく冷えるなア」 三吉にはそれも耳に入らぬらしく、
折悪しく帆村名探偵の海外出張中なのを慨いていた。 怪盗「岩」 「岩が帰って....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
る。ついに、大空襲となる。 ◯発表によれば百三十機の夜間爆撃。これが最初だ。 ◯
折悪しく風は強く、風速十数メートルとなる。 三月十三日 ◯昨暁名古屋が大挙B2....
「敵討札所の霊験」より 著者:三遊亭円朝
、それじゃア相談の纏まり様がございません」 と彼れの是れのと云って居りますと、
折悪しく其の晩養子武田重二郎は傳助と云う下男を連れて、小津軽の屋敷へ行って、両国....
「雪魔」より 著者:海野十三
は笑った。しかし五助は笑わなかった。 それから一里の苦しい雪の山道が始まった。
折悪しく急に風がかわって、粉雪が渦をまいて落ちだした。いよいよ吹雪になるらしい。....
「太平洋雷撃戦隊」より 著者:海野十三
者たちは、無念の泪をポロポロとおとして、口惜しがりました。 そこへもってきて、
折悪しく暮方になりました。いままで明るかった海面が、ずんずん暗くなってゆきます。....
「楢重雑筆」より 著者:小出楢重
津のある旅館へ泊ったことがある。それがちょうど右の状態そのままであった。その上、
折悪しくもその日から猛烈な台風が襲来したものだ。瀬戸内海も仙酔島も風と雨と水沫と....
「社会時評」より 著者:戸坂潤
て、大学官制の内に、わざわざ「人格の陶冶」という項目を後から※入しておいたのに、
折悪しく滝川教授は放蕩もして呉れなければ喧嘩もしない。而もよく冷静に考えて見ると....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
が、クールフェーラックは忌憚《きたん》なく攻撃の矢を放っていた。テーブルの上には
折悪しく有名なトゥーケ法の一部が置いてあった。クールフェーラックはそれをつかんで....
「後の業平文治」より 著者:三遊亭円朝
、捨置きがたい仔細あって蟠龍軒を殺害いたすの覚悟にて、同人屋敷へ踏込み候ところ、
折悪しく同人を討洩らし、如何にも心外に存じ候ゆえ、一時其の場を遁れ、たとい何処の....
「貞操問答」より 著者:菊池寛
になり、タッタタッタと、二、三歩後退した。 ちょうど、別荘から出て来た新子と、
折悪しく夫人の馬とが、出会頭になったのだ。 夫人も必死に馬を止めたらしく、ちょ....
「入院患者」より 著者:ドイルアーサー・コナン
の時こそ、その効果をためしてみるのによい時だと考えつきました。ところが、その瓶は
折悪しく階下の実験室においてありましたので、私は患者を椅子に腰かけさせたまま残し....
「銀三十枚」より 著者:国枝史郎
、湧き上って来る空想を、鼻紙の上へ書いたりした。 ある夜空想が湧き上って来た。
折悪しく鼻紙を持っていなかった。一軒の商店の板壁へ、万年筆で書き付けた。そうして....
「妻」より 著者:神西清
難でもあり、また恐らくは賢明でもなかろうことを、私は見て取った。 「そう……」と
折悪しくイ※〕、難民たちに十万か二十万ほどさ。どうせいつかは死ぬんだし、あの世へ....
「岐阜提灯」より 著者:田中貢太郎
ていた会社をしくじり、母の妹の縁づいている家で世話になって勤め口を捜しているが、
折悪しく戦後の不景気に出くわしたので口が見つからないけれども、生れつきの暢気な彼....