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「折損〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

折損の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
坑夫」より 著者:夏目漱石
考えて見ると、なるほど長蔵さんの商売も、満更《まんざら》待ち草臥《くたびれ》の骨折損になる訳でもなかった。坑夫になれますよ、はあ、なれますか、じゃなりましょうと....
道標」より 著者:宮本百合子
そりゃはじめによくよく調べてかかるんですさ。対手国で保証しないもんなら、そりゃ骨折損ですがね――そのかわりうまく当てれば、相当のもんだからね」 権田正助は、当....
災難雑考」より 著者:寺田寅彦
を見てはそれを現品のそれと比べたりした。その結果として、空中分解の第一歩がどこの折損から始まり、それからどういう順序で破壊が進行し、同時に機体が空中でどんな形に....
黒い地帯」より 著者:佐左木俊郎
ら……」 「雛鶏だってなんだって、斯う松埃をぶっかけられちゃね。今年は、まるで骨折損でごわした。」 「旦那等ほだからって、鶏を飼ったのが、儲けになんねえでも、暇....
一隅」より 著者:宮本百合子
下さいませんか」 「私は手前で降りるんですが」 「へえ……」 婆さんは露骨に骨折損をしたという表情をその声に現して、此方へ向きなおった。小さい引つめ束髪に結っ....
シェイクスピアの郷里」より 著者:野上豊一郎
りのあるものがある、というと、喜劇だって新婚の夫婦がい L. L. L.(恋の骨折損)の部屋に通されたらどんなものだろう、とか、いや、やきもち屋の亭主と Oth....
歌麿懺悔」より 著者:邦枝完二
い人が飛込んで来たもんだねえ。あたしの体は枕絵のお手本にゃならないから、いっそ骨折損だよ」 しかし、そういいながらも、ぬっと立上った女は、枕屏風を向うへ押しや....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
らを相手に一と仕事と出懸けし処、相手がまるでお坊ちやんにて話にならず、たうとう骨折損となりたり、今も革命派の上京する者は必ず来つてあれこれと相談を掛け候へども最....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
れの小智慧にからかわれて、神楽堂の外で神楽舞をやっているような、お話にならない骨折損をやるものだ――ということを、この時万吉、悟ったかどうだか。 「では、お千絵....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
んてもくろみは、ムダですからおよしなせえ、エエ、悪いこたあ言いません。世の中に骨折損というくれえ、呆痴な苦労はないからなあ」 「野暮に目柱をお立てでない」 心....