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折本
「折本〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
折本の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「船医の立場」より 著者:菊池寛
めた。下田の宿へ移るといって、航海の準備をした。寅二郎は、着替えの衣類二枚と、小
折本孝経《こおりぼんこうきょう》、和蘭文典前後訳鍵《オランダぶんてんぜんごやくけ....
「高野聖」より 著者:泉鏡花
》るさえ暑くるしい、旅の法衣《ころも》の袖《そで》をかかげて、表紙を附《つ》けた
折本になってるのを引張《ひっぱ》り出した。
飛騨《ひだ》から信州へ越《こ》える....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
これでございます」と、若僧は部屋の隅にある小さい経机を指さして教えた。机の上には
折本の経本が二、三冊積まれて、その側には小さい硯箱が置いてあった。 「拝見いたし....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
に年|経《ふ》る狐に相違なかった。死体の傍には数珠《じゅず》も落ちていた。小さい
折本の観音経も落ちていた。履物はどこにも見えなかったが、その袈裟と法衣と、数珠と....
「白金之絵図」より 著者:泉鏡花
… 「これは……」 老人は懐炉を取って頂く時、お町が襟を開くのに搦んで落ちた、
折本らしいものを見た。 「……町は基督教の学校へ行くんですが、お導き申したという....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
も、その心の慰安がうれしくて、うつぷしに寝返って画帖に手を触れました。 それは
折本になっている布装の書画帖で、中に記されたところのものは、多分、この宿に逗留《....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
思い出したように、醒ヶ井が立ち上って、自分の部屋へ取って返したかと思うと、一枚の
折本を手に持って、
「皆様、これを御覧下さい、五年前のその時の、これが問題の品定....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
りました。 お手本というのは、ここの道場の学校に来る子供たちのために、西の内の
折本をこしらえて、お松がそれに「いろは」と「アイウエオ」から始めて、村名尽《むら....
「旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
すとおしょさんが小言をいった。 古い錦絵《にしきえ》――芝居の絵を沢山に張った
折本《おりほん》を、幾冊かだしてくれた。私の家にもそれらはいくらかあった。だが、....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
ーヌ嬢やマグロアールとともに三十分ばかり話をし、それから室に引っ込んで、紙片や二
折本の余白などに物を書いた。彼は文ができ、またいくらか学者だった。彼はかなり珍し....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
悪鬼とビエーヴルの妖鬼とに関してというムュートル・ド・ラ・リュボーディエールの四
折本であった。彼自身の庭が昔は妖鬼《ようき》の住んでた場所の一つだったということ....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
、わきによけるように扉《とびら》のそばに立っていた。彼は小わきに、紙にくるんだ八
折本らしい包みを抱えていた。包み紙は緑がかった色で、黴《かび》がはえてるようだっ....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
て、積み上げた。
七瀬は、夫の着物を出して、えり分けた。八郎太は「道中細見」の
折本を披げて、大阪までの日数、入費などを、書き込んでいた。
「十五両? 馬鹿申せ....
「書籍の風俗」より 著者:恩地孝四郎
ある。稀に数奇を好んで本にも之が用いられるが、木に竹をついだ感じでおちつけない。
折本仕立に至っては画帖、書帖の類の外は殆どないといってもいい位だ。であるから、こ....