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折柄
「折柄〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
折柄の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「婦系図」より 著者:泉鏡花
のかい。」 果せる哉、礼之進が運動で、先生は早や平家の公達を御存じ、と主税は、
折柄も、我身も忘れて、 「はい、」と云って、思わず先生の顔を見ると、瞼が颯と暗く....
「恐しき通夜」より 著者:海野十三
た。『青軍の危急を救うべく、敵前に於て危険きわまる低空の急旋転を行いたるところ、
折柄洋上には密雲のために陽光暗く、加うるに霧やや濃く、僚機との連絡至難となり、遂....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
東京警備司令部内は、眼に見えて、緊張の度を高めていった。 浜松の飛行聯隊が、
折柄のどんより曇った銀鼠色の太平洋上に飛び出していった頃から、第三師団司令部から....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
個人工場の損失ではない、国家の大損失であり、猫の手さえ借りたい刻下の沖縄大決戦の
折柄、戦力をそぐこと甚しい。 ◯吉田晴児の工場も焼けたらしい。協電舎もそうらしい....
「鞄らしくない鞄」より 著者:海野十三
の人が夜中|厠《かわや》へ入って用を足しながら何気なく格子の外を覗《のぞ》いた、
折柄《おりから》二十日あまりの月光が白々と明るく一面の焼跡と街路を照らしていたが....
「宇宙尖兵」より 著者:海野十三
冒険ということよりもむしろ向う十五ヶ年の空費についての悒鬱であった。 そういう
折柄、リーマン博士が、初めて僕ら新聞記者を引見するという知らせがあったのである。....
「宇宙戦隊」より 著者:海野十三
この事件の解決にあたることになったのである。当局としては、戦時下非常にいそがしい
折柄でもあるので、七人組の申し出をたいへん喜び、それに事件をまかせることにしたの....
「雷」より 著者:海野十三
かなか動こうとしなかった。この土地は、甲州地方に発生した雷の通り路になっていた。
折柄の雷のシーズンを迎えて、高い櫓にのぼるには、相当の覚悟が必要だった。 人夫....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
殺害されたということは、由々しき一大事だというのであった。 日英関係のけわしい
折柄、英国が、これを国交上の大問題としてとりあげたのは、尤もなことであった。 ....
「軍用鼠」より 著者:海野十三
。梅野十伍は、普段そんな定義にあまりこだわらない方であるが、この際は原稿大難航の
折柄のこととて、一方の血路を切り開いて兎も角も乗り切ることが第一義であった。一応....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
ろ。」といって、義作は景気よく手を拍った。女は両人、晴やかな勇美子の面を拝んだ。
折柄|荒増る風に連れて、石滝の森から思いも懸けず、橋の上へ真黒になって、転けつ、....
「阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
あらわし、ぶらぶら歩いて酒屋の門口まで来た時にはもうすこぶる元気なものであった。
折柄向うから来たのは、靜修庵の若い尼であった。阿Qはふだんでも彼女を見るときっと....
「頭髪の故事」より 著者:井上紅梅
うは双十節だったんだな。この暦には少しも書いてない」 わたしの先輩の先生Nは、
折柄わたしの部屋に暇潰しに来ていたが、この話を聞くと非常に不機嫌になった。 「彼....
「瘠我慢の説」より 著者:石河幹明
掛引の妙を得たるものなれども、政府にてはかかる企みと知るや知らずや、財政|窮迫の
折柄、この申出に逢うて恰も渡りに舟の思をなし、直にこれを承諾したるに、かかる事柄....
「六日月」より 著者:岩本素白
で度々通りながら、何時も気にして居なかったが、これは一体どこの門なのであろうと、
折柄来かかった此の辺りの人らしい年寄に聞いて見る。薄暗い中で余り突然なのに少し驚....