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「折檻〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

折檻の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
偸盗」より 著者:芥川竜之介
った事もある。が、打っているうちに、蹴っているうちに、おれはいつでも、おれ自身を折檻《せっかん》しているような心もちがした。それも無理はない。おれの二十年の生涯....
邪宗門」より 著者:芥川竜之介
ざいます。その時の大殿様の御機嫌の悪さと申しましたら、今にも御手の扇が上って、御折檻《ごせっかん》くらいは御加えになろうかと、私ども一同が胆《きも》を冷すほどで....
侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
の娘に行儀を教えるのにやかましかった。殊に枕《まくら》をはずすことにはその都度|折檻《せっかん》を加えていたらしい。が、近頃ふと聞いた話によれば、娘はもう震災前....
妖婆」より 著者:芥川竜之介
よ立つような、恐しい目にあわせるのです。が、それよりもさらにつらいのは、そう云う折檻《せっかん》の相間《あいま》相間に、あの婆がにやりと嘲笑《あざわら》って、こ....
或る女」より 著者:有島武郎
こうしてやるぞといって、わたしを押えつけて心臓でも頭でもくだけて飛んでしまうほど折檻《せっかん》をしてくれたらと思うんですの。どの人もどの人もちゃんと自分を忘れ....
小さき者へ」より 著者:有島武郎
ない淋しさに襲われるのを知りぬいていながら、激しい言葉を遣《つか》ったり、厳しい折檻《せっかん》をお前たちに加えたりした。 然し運命が私の我儘《わがまま》と無....
耽溺」より 著者:岩野泡鳴
長い頤で両親を使いまわしている。前年など、かかえられていた芸者が、この娘の皮肉の折檻に堪えきれないで、海へ身を投げて死んだ。それから、急に不評判になって、あの婆....
柿色の紙風船」より 著者:海野十三
まと誘拐したのだった。そしてあの荒れ小屋に連れこむと、身の自由を奪っていろいろと折檻したが、強情な彼奴は、どうしても白状しなかった。私は怒りのあまり、遂に最後の....
銀座幽霊」より 著者:大阪圭吉
では、恐らく房枝さんを殺したのも、澄子だと思うんです。つまり、昨晩あの時の房枝の折檻が、痴話喧嘩になり、揚句の果てに房枝を絞め殺してしまった澄子は、正気に返るに....
自叙伝」より 著者:大杉栄
して僕は毎日学校で先生に叱られたり罰せられたりしていた間に、家ででもまた始終母に折檻されていた。母の一日の仕事の主な一つは、僕を怒鳴りつけたり打ったりすることで....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
えて黙っていたが、島田を簪で畳の上へ縫ったように手をついた。 「辻町さん……私を折檻して、折檻して下さいまし。折檻して下さいまし。」 「何、折檻。」 「ええ。」....
湯女の魂」より 著者:泉鏡花
い風情に見えました。 「貴方、どうして思い切れませんのでございましょう。私は余り折檻が辛うございますから、確に思い切りますと言うんですけれども、またその翌晩同じ....
スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
言っていた。苦しむほうの腕白小僧にしてみればまったくありがた迷惑なことだが、彼は折檻をしたあとでは、かならず「おまえは生きているかぎりはこのことを思い出して、あ....
山吹」より 著者:泉鏡花
まれます。それにつけても、はい、昔の罪が思われます。せめて、朝に晩に、この身体を折檻されて、拷問苛責の苦を受けましたら、何ほどかの罪滅しになりましょうと、それも....
活人形」より 著者:泉鏡花
、下枝を捉えて妻にせん。我心に従えと強迫すれど、聞入れざるを憤り、日に日に手暴き折檻に、無慙や身内の皮は裂け、血に染みて、紫色に腫れたる痕も多かりけり。 下枝....