抛物線[語句情報] » 抛物線

「抛物線〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

抛物線の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
ビルディング」より 著者:夢野久作
私の意識はグングンと零《ゼロ》の方向に近づきつつある。無限の時空の中に無窮の抛物線を描いて落下しつつある。 その時に壁|一重《ひとえ》向うの室からスヤスヤ....
髪切虫」より 著者:夢野久作
を一つに集めた全生命そのものであった。その卵白色とエナメル黒のダンダラの長い長い抛物線型に伸びた触角は、宇宙間に彷徨している超時間的、超空間的の無限の波動を、自....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
ャイルドが詠うと、それから、旧教主義の荘重な魂の熱望が生れてくるのだ。また、その抛物線を近世の心理分析学者どもは、滑斜橇で斜面を滑走してゆく時の心理に擬している....
神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
ほとんど間髪を入れず、馬場屋敷の屋根棟から「吽」という気合の声がした。と、暗中に抛物線を描き、一筋の捕り縄が投げられた。 先ず火柱は右に揺れ、それから左手へよ....
石狩川」より 著者:本庄陸男
った。誰も拾いてのない川の中に、彼らのいるところよりは可成《かな》り低い水面に、抛物線《ほうぶつせん》を描いてずぶりと墜ちた。流れの下にすッと潜《もぐ》ったよう....
ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
もアイヌ式であります。又、鼻の外見的な恰好は純然たる希臘型で、頬から腮へかけての抛物線と、小さな薄い唇が、ハッキリと波打っている恰好を見ますると、我国の古い仏像....
暗黒公使」より 著者:夢野久作
が、軽い溜息をしいしい顔を上げて、私と眼くばせをした。その懐中電燈の光線が、鋭い抛物線を描いて、横|筋かいに照し出している茶色のリノリウム張りの床の上には、そう....
谷より峰へ峰より谷へ」より 著者:小島烏水
、大空に浮き彫りにして、肩から腰へとつづく柔軟な肉は、冷たい石の線とも思われず、抛物線の震いつきたい美しさを、鼠の荒縞かけた雲の上に、うっとりと眺め入っていたが....
両輪」より 著者:宮本百合子
ているものにとって、個人的な、才能主義で解決するようなものではない。文学的情熱の抛物線が大きくゆたかであるためには、ごくしっかりした、ふみごたえのあるスプリング....
神秘昆虫館」より 著者:国枝史郎
!」と構えたが「あッ」とその次の瞬間には、驚きの声を迸らせた。 月夜に楕円形の抛物線《ほうぶつせん》を描き、蛇のようなものが翻然と、小一郎へ飛びかかって来たか....
厄年と etc.」より 著者:寺田寅彦
百十日や八朔の前後にわたる季節に、南洋方面から来る颱風がいったん北西に向って後に抛物線形の線路を取って日本を通過する機会の比較的多いのは科学的の事実である。そう....
風立ちぬ」より 著者:堀辰雄
るのを、うっとりとして眺めていた。ときどき思い出したようにその森の上へ小鳥たちが抛物線《ほうぶつせん》を描いて飛び上った。――私は、このような初夏の夕暮がほんの....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
いの正確さは減ずる。その上、短距離の射撃には、弾道は思うようにまっすぐにならず、抛物線《ほうぶつせん》は大きくなり、弾は充分まっすぐに飛ばなくて中間の物を打つこ....
野に山にかかる虹の橋」より 著者:中井正一
と輝かせてやりたい。 都会にあふれているこの本を、遙かに遙かに野に山に、美事な抛物線を描いて間断なく投げてやりたい。 私達は、野に山に、この虹のように美しい....
新案探偵法」より 著者:小酒井不木
いと思います。 嘗て彼は、立小便の際の小便の描く曲線を研究し、双曲線であったか抛物線であったか、とにかく、数学的に立派に研究をしとげましたが、そのときも小便の....