抜き足差し足[語句情報] »
抜き足差し足
「抜き足差し足〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
抜き足差し足の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「雪後」より 著者:梶井基次郎
へ蒔いといたんですの」 その音がし始めると、信子は仕事の手を止めて二階へ上り、
抜き足差し足で明り障子へ嵌《は》めた硝子《ガラス》に近づいて行った。歩くのじゃな....
「恐怖城」より 著者:佐左木俊郎
わなわなと全身を顫わしていた。 黒い姿は静かに部屋の中へ進んできた。静かに――
抜き足差し足で――煙か何かのように――ベッドのほうへ近づいた。紀久子は叫ぼうとす....
「蠅男」より 著者:海野十三
て失敗することがあるのだ。帆村はそこで安心してピストルをグッと握りしめた。そして
抜き足差し足で、ソロソロベッドの方に近づいていった。 ベッドの上の人物は、死ん....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
を手にしてはいるが、枝にも梢にも雀がいるのに一向刺そうともしないで、森のまわりを
抜き足差し足でうろうろとしながら、何を探そうというのか、しきりと中の容子を覗き見....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
ゆう》、ハッ! これは、横町の黒猫《くろ》が、魚辰《うおたつ》の盤台をねらって、
抜き足差し足、忍び寄るところでござアい!」 ピョンとひとつとんぼ返りを打ったチ....
「貧しき人々の群」より 著者:宮本百合子
り安心した。なぜなら、輝きのうちをおよぐようにして、小さい子供が長い竿を抱えて、
抜き足差し足で入って来たのを見つけたからである。 彼の行こうとしている方には、....
「山姥の話」より 著者:楠山正雄
した。 二|階からこの様子を見ていた馬吉は、そっとはしご段を下りました。そして
抜き足差し足お庭へ出て、いちばん大きな石を抱え上げて、「うんすん、うんすん。」い....