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抜け歯
「抜け歯〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
抜け歯の前後の文節・文章を表示しています。該当する5件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
かかったものを何か判らず取帰って鍋の中へうち込む、それから喰おうとすると、下駄の
抜け歯が出て来る、蛙の死んだのが出て来る、その他さまざまの汚いものが出て来ても、....
「短歌習作」より 著者:宮本百合子
澄む大空をツク/″\と見る ものたらぬ頬を舌にてふくらませ 瓦ころがる
抜け歯の音きく うすらさむき秋の暮方なげやりに 氷をかめば悲の湧く 角砂糖の....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
たの。こりゃ、むずかしかろ」 やはり世事にはうとそうな老歌人の言である。為定は
抜け歯の多い口をあいて笑った。 老歌人の為定から「……お供も召されずお一人でか....
「脚」より 著者:吉川英治
娘付きで、祖先からの士格を売った老御家人も、 「いよっ、めでとうござる」 と、
抜け歯の間から、ほざいた。 彦太だけは、浅ましいものへそむけるように、顔を伏せ....
「大岡越前」より 著者:吉川英治
ていた。――だから、寛永、慶安などの前期をおぼえている古ぼけた老人などが、時に、
抜け歯のあいだから、ぼそぼそこういうぐらいにすぎなかった。 「まだまだ島原の孤城....