抜け目がない[語句情報] » 抜け目がない

「抜け目がない〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

抜け目がないの前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
ように、こっそり取り出したのは、すさまじいことに一升徳利が二本です。しかも万事に抜け目がない。 「ここが一番風通しがよくてね。ひと目にかからず中の様子はひと眺め....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
にはわたしも賛成だ。」と寿平次は言った。「君のところの老人は金をもうけることにも抜け目がないが、あれでなかなか奇骨がある。」 奥州から越後の新発田、村松、長岡....
思想と風俗」より 著者:戸坂潤
児を選ぼうと考える。 こうして一般に女学校では、入学志願者の父兄の資産調べには抜け目がないようだ。折角の卒業生も無産者の娘では碌な処へ嫁にも行けまい、卒業生夫....
幸福の建設」より 著者:宮本百合子
のならば、漫画にしておけばすむのですけれども、本当の資本家というのはそれはそれは抜け目がない。私共がわずかのお金で魔法みたいにして生きている。私達の生き方という....
社会時評」より 著者:戸坂潤
児を選ぼうと考える。 こうして一般に女学校では、入学志願者の父兄の資産調べには抜け目がないようだ。切角の卒業生も無産者の娘では碌な処へ嫁にも行けまい、卒業生夫....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
あの人影一つだけで、他に連類は無いのか、なんぞということの視察には、かなり兵馬は抜け目がないのです。 幸いにこの柳の木――これは、この前の場面に、がんりきの百....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
のだ。 伊太夫はそれがよくわかっているだけに、人を使うにも、人の慾を見ることに抜け目がないのです。少なく与えれば怨《うら》む、多く与えれば驕《おご》る、一時、....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
る。紺の股引《ももひき》腹がけで、麻裏草履をはいて片膝を端折《はしょ》っている。抜け目がない体勢ではある。 「は、は、は、送り狼というやつかな」 と前なる頭巾が....
黒馬車」より 著者:宮本百合子
た年より大変老けて見える父親は、素末な紺がすりに角帯をしめて、関西の小商人らしい抜け目がないながら、どっか横柄な様な態度で、主婦の事を、 お家はん、お家はん....
保久呂天皇」より 著者:坂口安吾
弱で蒼ざめて猫背で、そのような奴に限って性慾が強くて、強情で、東京のスリのように抜け目がないのだ。 メートル法の久作は年来の事業が失敗つづきのところへ水爆の防....
この握りめし」より 著者:岸田国士
で買いとつたつていう話を、わしは聞いとるでね」 「なるほど、信濃屋さんはさすがに抜け目がないな。宿賃の代りに絵を貰つとくつていう寸法だね」 「いや、いや、わしも....
顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
ことが書いてあったんだが、このほうは暗くて気がつかなかった。……おもんもなかなか抜け目がない。白壁のほうだけだとこっそり削られてしまうかも知れないと思ったので、....
私本太平記」より 著者:吉川英治
川ノ大納言)の妻の姪だ。もとから帝も小宰相にはお気をゆるしていなかったが、幕府は抜け目がない。新朝廷がたの息がかかっているその小宰相をさりげなく三女人のうちに加....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
床柱の方を向く。 「はははは、ベルはさっきからのべつに押してますよ。」そこはF君抜け目がない。 「だが随分悠長ですな、ここの家は。北海道から此方は妙にベルが利か....