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抜け穴
「抜け穴〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
抜け穴の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
、どッと城中が騒乱のちまたに化そうとしたとき――だが、そこへいま没落した床の下の
抜け穴らしいところから、ぬうと現われてきたひとりの怪しき男の姿があったのです。手....
「地球盗難」より 著者:海野十三
て睡られましょう。そこでソッと忍んで外へ立ち出でました。そして庭のところから元の
抜け穴をくぐって、森の中へ出たのです。先生にお目に懸ったのはそのときのことでした....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
ほら、よくあるこッちゃござんせんか。お城普請やお屋敷なんぞを造らえる時に、秘密の
抜け穴や秘密仕掛けの部屋をこっそり造らえて、愈々出来上がってしまうと外への秘密が....
「読書法」より 著者:戸坂潤
ある文章の一つ二つを丹念に読み、其の他の諸篇を参照しながら行くと、不思議と、或る
抜け穴が見えて来るものだ。そうなれば著者の考え方と思想とは、もしも著者が文化的な....
「大阪を歩く」より 著者:直木三十五
―そうだ。私は、天王寺へ参詣してから、理窟ばかり云っているのだ。 産湯稲荷の、
抜け穴は、何うしたかしら? 私の少年時代、その穴は、真田の
抜け穴だと信じて、度々....
「少年探偵長」より 著者:海野十三
らがりになったこの部屋のおさまりは、いったいどうなるのであろうか。 秘密の
抜け穴 (われらの首領というのは、小男であったのか!) 机博士は、その意外に心....
「鞄らしくない鞄」より 著者:海野十三
を下へ降りていった。 下には十坪ほどの秘密室があった。この外にも倉庫や地下道や
抜け穴などがあった。目賀野自慢のものであった。 「さあ、鞄をここへ載せて……そし....
「超人間X号」より 著者:海野十三
姿も見えない。しかし、たしかに博士はあの部屋から出たはずはないから、どこか秘密の
抜け穴がつくってあるにちがいないよ。みんなでその秘密をさぐろうじゃないか」 「う....
「カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
会いに出られませんが」
「じゃあなんですな、やっぱり庵室から婦人がたのところへ、
抜け穴が作ってあるわけですな。いやなに、神父さん、わしが何かその、妙なことでも考....
「加利福尼亜の宝島」より 著者:国枝史郎
隠してしまったのだ。まるで地の中へ吸い込まれたようにな。……この島には地下へ通う
抜け穴のようなものがあるのではないかな?」 「はい、
抜け穴がございます」 「おお....
「深夜の電話」より 著者:小酒井不木
だ。 荒鷲町へ行くなり、先方もさるもの、すわ警察の手入れだと、阿片窟の連中は、
抜け穴から逃れようとしたのだが、そこはかねて警察の方でじゅうぶん研究してあったの....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
奇怪の宴会室の多くが焼け残ったというのは、怖るべきことだね。上方の娘はムリに犬の
抜け穴から現れて一服もることに熟達しているが、彼女らはたいがい同時に宝塚の難民の....
「明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
を結う心構えをもちなさい。食糧難の心配はない。私が乱世に実見した最もユーモラスな
抜け穴は、新川関のチョンマゲであった。 冬になると東京の居酒屋では「アンコウ鍋....
「坑鬼」より 著者:大阪圭吉
うのですから、これは消甕みたいなもので、防火扉のところよりほかにあの坑内には絶対
抜け穴はない。それでは峯吉は防火扉のところから出たに違いない。ところが、防火扉の....
「一九三七年を送る日本」より 著者:戸坂潤
に、云わば行方が知れなくなった。と云うよりも意外の処へ(実は意外ではないのだが)
抜け穴を有っていた。そこでそういう形で議論をするのが、抑々莫迦々々しいのだという....