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抜け路
「抜け路〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
抜け路の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「党生活者」より 著者:小林多喜二
に出ているので、大して心配が要らない。お湯屋から出ると、今度はその辺にある小路や
抜け路を調らべて帰ってきた。一般にこの市は(他の市もそうかも知れないが)奇妙なこ....
「新生」より 著者:島崎藤村
は独《ひと》りで家の界隈《かいわい》を散歩するうちにその辺から東禅寺の墓地へ通う
抜け路を見つけて置いた。その日は節子と一緒に墓地を歩いて見ることを楽みにして、先....
「恐怖の口笛」より 著者:海野十三
ブローカーを調べて、本当の持ち主をつきとめるんだ。――それはいいとして何故こんな
抜け路をそのままにして置いたのかネ。何故痣蟹に知らせて、利用させたのだ」 「わた....
「三人の双生児」より 著者:海野十三
えすぎてたいへん莫迦をみたようなものであった。まるで抜け裏のない露地を、ご丁寧に
抜け路があるかしらと探しまわって草臥もうけをしたようなものであった。ともかくこれ....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
いた。松明をとって進み入ると、深さ四丈ばかりで行き止まりになってしまって、他には
抜け路もないらしく、結局なんの獲るところもなしに引き揚げて来た。 蔡はこの話を....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
和田峠その他へ早速人数を出張させるようにとしてあった。右の峠の内には松本方面への
抜け路もあるから、時宜によっては松本藩からも応援すべき心得で、万事取り計らうよう....
「三人の相馬大作」より 著者:直木三十五
まできた時、行く手に待っていた北町奉行の人数が挨拶にきた。そして、表と裏と、町の
抜け路――要所要所に、人数が配置された。 役人は、騒ぎ立てようとする町家の人々....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
くあります。少年はきまりが悪いのか、窮したせいか、下を向いていると、 「お関所の
抜け路をお通りなさることや……また殿方が女の風《なり》をなさったり、女のお方が殿....
「ダス・ゲマイネ」より 著者:太宰治
歩きながら、両側の小窓小窓の女の顔をひとつひとつ熟察していた。路地へはいり路地を
抜け路地を曲り路地へ行きついてから私は立ちどまり馬場の横腹をそっと小突いて、僕は....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
云うと的確にエゲツナサだけに終るけれども、大阪の言い廻しは断定的でなく、逃げ路や
抜け路や空気孔のようなものが必ずあって、全体として、とりとめなく、感性的なのだ。....