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抜剣
「抜剣〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
抜剣の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「自叙伝」より 著者:大杉栄
縄も教わった。棒はことにお得意だった。今でもまだ棒が一本あれば二人や三人の巡査が
抜剣して来たところで、あえて恐れないくらいの自信がある。 幼年学校にはいってか....
「小説 不如帰 」より 著者:徳冨蘆花
もおれアうっかり踏ん込むと、殺しに来たと思いやがったンだね、いきなり桶の後ろから
抜剣の清兵が飛び出しやがって、おいらアもうちっとで娑婆にお別れよ。ちょうど兵隊さ....
「若き日の成吉思汗」より 著者:林不忘
その王座に掛け、左右に台察児《タイチャル》、参謀、官人ら居並び、背後に軍卒多勢、
抜剣を引っ提げて立つ。 露台より真赤な砂漠の夕陽がさしこみ、室内は明るく、人々の....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
三人の声して縛り殺せというた。さてこそ疑いなし、此方《こなた》より斬って掛かれと
抜剣して進み入り、男女八人を鏖殺《おうさつ》して台所の傍を見れば生きた豕を繋《つ....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
ったが、走ることが好きだった。躄《いざり》なる彼は、好んで馬を急速に駆けさした。
抜剣のうちに護《まも》られて、落ち着いたいかめしい顔をして通っていった。戸口には....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
、「おや、もう始まった!」その時突然、兵営の中に駐屯していた一個中隊の竜騎兵が、
抜剣で馬をおどらして現われ、バソンピエール街からブールドン大通りを通って前にある....
「薬」より 著者:井上紅梅
と品物の引換えだ」 身体じゅう真黒な人が老栓の前に突立って、その二つの眼玉から
抜剣のような鋭い光を浴びせかけた時、老栓はいつもの半分ほどに縮こまった。 その....
「妾の半生涯」より 著者:福田英子
内外|一方《ひとかた》ならず騒擾《そうじょう》し、表門警護の看守巡査は、いずれも
抜剣《ばっけん》にて非常を戒《いまし》めしほどなりき。とかくする内|看守《かんし....
「三筋町界隈」より 著者:斎藤茂吉
ともいえぬ緊張した音である。暫らく鉄砲を打っていたかとおもうと、当方の一隊は尽く
抜剣し橋を渡って突撃した。父も私もこういう光景を見るのは生れてからはじめてであっ....
「墓地展望亭」より 著者:久生十蘭
るように大きな楡の扉の両脇に、白い長い鳥毛のついた、金色の兜をかぶった竜騎兵が、
抜剣を捧げて直立していた。 竜太郎は、何気なく、向って右側の竜騎兵の顔を見ると....
「天狗外伝 斬られの仙太」より 著者:三好十郎
集めて参りましたため小判小つぶ取りまぜての……へい。 隊一 言うかっ!(スラリと
抜剣。ビックリした男二が訳のわからない叫び声をあげて飛下って転げる)当所より呼出....
「斬られの仙太」より 著者:三好十郎
めて参りましたため小判小つぶ取りまぜての……へい。 隊一 言うかっ! (スラリと
抜剣。ビックリした男二が訳のわからない叫声をあげて飛下って転げる)当所より呼出さ....
「上海」より 著者:横光利一
群衆を予想して、各国義勇団に出動準備を命令した。市街の要路は警官隊に固められた。
抜剣したまま駈け違う騎馬隊の間を、装甲車が辷っていった。義勇隊を乗せた自動車、そ....
「三国志」より 著者:吉川英治
に、 ――今日出仕せぬ者は、斬首に処せん。 という布告を発した。そして殿上に
抜剣して、玉座をもしり目に、 「李儒、宣文を読め」 と股肱の彼にいいつけた。 ....
「三国志」より 著者:吉川英治
か。 彼は、何か異様な空気を感じたのであろう。突然、 「李粛李粛。――彼らが、
抜剣して立っているのは如何なるわけか」 と、呶鳴った。 すると、李粛は車の後....