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抜穴
「抜穴〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
抜穴の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「活人形」より 著者:泉鏡花
りけり。 大名の住めりし邸なれば、壁と見せて忍び戸を拵え置き、それより間道への
抜穴など、旧き建物にはあることなり。人形の後の小座敷もこれと同じきものなるべし。....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
る。 蝕あり、変あり、兵あり、乱ある、魔に囲まれた今日の、日の城の黒雲を穿った
抜穴の岩に、足がかりを刻んだ様な、久能の石段の下へ着くと、茶店は皆ひしひしと真夜....
「少年探偵長」より 著者:海野十三
さんは利口だよ。眼はしが利くよ。しかし、猫女はおまえさんより一枚上手だ。さっき、
抜穴のなかで、まんまと、猫女にまきあげられたよ。あっはっは、猫女はいつか、おまえ....
「怪異黒姫おろし」より 著者:江見水蔭
。 「や、や、あの山神の祠の台座、後面の石垣のまん中の丸石を抜き取ると、その下が
抜穴、そこに佐渡の金箱が隠して有るので御座りまするか」 「おう、その通りじゃ、あ....
「小公女」より 著者:菊池寛
鼠を見てみたくなりました。彼女は寝台の端にのり出して来て、セエラが壁の腰板にある
抜穴のそばに跪くのをじっと見ていました。 「そ、その鼠、ふいに駈け出して来て、寝....
「雪の夜」より 著者:小林多喜二
てもらっててもいいの!」と言った。恵子が淫売で拘留されたことがあるとか、家の裏に
抜穴があるとか、もっと詳しいことが噂立った。龍介はイライラしてきた。恵子を信じて....
「三人の相馬大作」より 著者:直木三十五
潜ったのか――あいつら夜になっても、ああして張るつもりだろうが、お前、川の中に、
抜穴かなんか、あるのだぜ。そうで無けりゃ、第一、呼吸《いき》ができんもんな」 「....
「狐」より 著者:永井荷風
る首と共に、難題を持出した。 「全体、狐ッて奴は、穴一つじゃねえ。きつと何処にか
抜穴《ねけあな》を付けとくって云うぜ。一方口《いっぽうぐち》ばかし堅《かた》めた....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
をかけたように立消えてしまうんですものね」
「では、炉がいけないのでしょう、下に
抜穴があるか、或いは水分がしみ込むように出来ているのかも知れません」
「いいえ、....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
ってなにかしきりにゴソゴソやっていたが、やがてひょろ松の耳に口をあて、 「ここに
抜穴でもあるかと思って調べて見たが、そんなものはない。このへんがギリギリだろうか....
「ジイドとそのソヴェト旅行記」より 著者:宮本百合子
で、清教徒であることをやめたジイドをカソリックへ引っぱり込もうとした。「法王庁の
抜穴」を書き終ったところであったジイドは、この宗教的格闘では目覚ましい粘着力を示....