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披見
「披見〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
披見の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「恩を返す話」より 著者:菊池寛
助けられ候恩義|有之《これあり》、容易に刃《やいば》を下し難く候については、此状
披見次第|申《さる》の刻《こく》までに早急に国遠《こくおん》なさるべく候。以上」....
「藤十郎の恋」より 著者:菊池寛
十郎に渡す) 藤十郎 (受取りて)おおいかにも、火急の用事と見えまする。ちょっと
披見いたしまする。皆の衆御免なされませ。なになに漣子《れんし》どの、巣林《そうり....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
よ」 うやうやしく伝六が奉書包みをさし出しましたものでしたから、さっそく右門も
披見《ひけん》すると、いかさまりっぱなお添書といったことばのとおり、それなる一書....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
もので、これが普通の与力同心ならば、ごく内密にといったそのことばのてまえ、容易に
披見は許されないはずですが、右門の才腕がものをいいました。 「内聞にいたせよ」 ....
「門」より 著者:夏目漱石
ただ薄暗い灯《ひ》に照らされていた。その弱い光は、いかに大字《だいじ》な書物をも
披見《ひけん》せしめぬ程度のものであった。宗助は今日《こんにち》までの経験に訴え....
「菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
捺して福原數馬の前へ差出し、 大「重々心得違い、是れにて宜しゅうございますか、御
披見下さい」 數「其の方の手跡だから宜しい、さ是から庭へ出て敵討だ/\」 と云....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
たいと願った。その時の加州方からの返書は左のようなものであったとある。 お手紙|
披見いたし候。されば御嘆願のおもむきこれあり候につき、滞りなく通行の儀、かつ外諸....
「雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
平馬、必死の形相で、またも叫んだ。
「先生――お止《とど》まり下さい。その一巻の
披見、雪之丞にお許し、お止まり下さい」
雪之丞は、伝書を受け取ろうと、伸べた手....
「八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
中へ手をやると小さい包みを取り出したが、「これも主人より預かりましたもの、共々ご
披見くださいますよう」 「そうであったか、ご苦労ご苦労、疲労れたであろう、休息す....
「探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
ことが書き添えてあった。 もしこの無心聞き済み無く候はば、別封にいたし置候一通を
披見なさるべく候、御聞きとどけ下され候はば、右の別封は御開封におよばず、そのまま....
「芳川鎌子」より 著者:長谷川時雨
った。この事件の一切を処理する事を依託された岡氏は、絶対の秘密にして、遺書も一応
披見したのち焼きすててしまった。 「両方とも誠につまらぬ遺書にて、何らお話するほ....
「巷説享保図絵」より 著者:林不忘
、顔をななめに、かすんでいる眼を上げた。
仕事のことは、相変わらずお高が書状を
披見して、返書を書いて片づけてきていた。いまはこれという取り引きもなく、わりに静....
「漱石氏と私」より 著者:高浜虚子
校二部三年生にて美文をつくりこれを『ホトトギス』へ紹介してくれという人有之。一応
披見致候処中々面白く小生は感服致候。乍毎度貴紙上を拝借致し度と存候が如何にや。来....
「註文帳」より 著者:泉鏡花
た、二上屋藤三郎すなわちお若の養父から捧げられたお若の遺書がある。 橘は取って
披見した後に、枕頭に進んで、声を曇らせながら判然と読んで聞かせた。 この意味は....
「法隆寺再建非再建論の回顧」より 著者:喜田貞吉
おいては今日の如く根本史料を手に入れる事が容易でなく、日本紀の如きすらそう手軽に
披見しえたものではなかったが為に、真の古伝が失われて、牽強附会の説の行われたのに....