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抬
「抬〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
抬の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「大阪万華鏡」より 著者:吉行エイスケ
退して、金融市場は、遊資のために市場金利においてコール貸日歩の急落、国債、市債の
抬頭《たいとう》等の変化を見せたが、国内における購買力の減少は、街から街に黄濁の....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
りよくない。どうもよくない。極め付きのあの退屈が、にょきりにょきりと次第に鎌首を
抬《もた》げ出して来たのです。何しろ世間は泰平すぎるし、腕はあっても出世は出来ず....
「黴」より 著者:徳田秋声
きみ罷むと、せいせい肩で息をして、術なげに手をもじもじさせていた。そして時々頭を
抬げて、当てがわれた金盥にねとねとしたものを吐き出した。宵に食べたものなどもその....
「爛」より 著者:徳田秋声
るようであった。 「あれだけは、己の失策だったよ。」 浅井が興奮したような顔を
抬げて言い出した。 「己は他に人から非難を受けるような点はないんだ。あれに懲りて....
「簡略自伝」より 著者:佐左木俊郎
ほど土工をして旅費をつくり、郷家に転がり込む。 帰郷中、妻の出産と共に、座食を
抬ばれず、百姓仕事を手伝っては見たが、圧迫の感に堪え得ずして上京。建築人夫、土工....
「恩人」より 著者:豊島与志雄
そういう対座が非常に疲労を来すものであることを感じた。そして沈黙の合間合間に頭を
抬げようとする反撥の感情があるのに気附いていた。叔父が強く自分の心を押えつけてい....
「現代小説展望」より 著者:豊島与志雄
、対象の個性を掴むのを目的とするということである。凡て新らしい思想なり見解なりが
抬頭する場合には、いつでも、何等先入見のない新らしい眼で現実を見直さなければなら....
「文学に於ける構想力」より 著者:豊島与志雄
にせよ、或は何かの末裔にせよ、ほんとの文学作品をという声に応じて、新たな私小説の
抬頭が仄見える。日本では元来、指示することよりも歌うことが喜ばれる。新たな私小説....
「つづれ烏羽玉」より 著者:林不忘
びる。これでよいのじゃ。これがその最後の勤めなのじゃ。この灰の中から、新しい力が
抬頭《たいとう》して来る。のう、やがてはその天下じゃわい」 「先生、すこしおこと....
「五重塔」より 著者:幸田露伴
もなお言わず、再度三度かきくどけど黙黙としてなお言わざりしが、やがて垂れたる首を
抬げ、どうも十兵衛それは厭でござりまする、と無愛想に放つ一言、吐胸をついて驚く女....
「新撰組」より 著者:服部之総
に、軽格士族が多く組織されていた。ところで肥後に会同した清河その他に、薩藩左派の
抬頭を報じてやがて薩藩極左派と連絡できる素因をつくったのは長州竹崎の商人|白石廉....
「浅沼稲次郎の三つの代表的演説」より 著者:浅沼稲次郎
内政は反動と逆コースを驀進し、進歩的な国民を絶望に追い込むファッショ反動の政治を
抬頭せしめ、一面、共産党に跳梁の間隙を与え、左右全体主義への道を開き、祖国と民主....