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抱え車
「抱え車〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
抱え車の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
いわい》で金田さんの御屋敷を知らなけりゃ眼も耳もねえ片輪《かたわ》だあな」これは
抱え車夫の声である。「なんとも云えないよ。あの教師と来たら、本よりほかに何にも知....
「婦人と文学」より 著者:宮本百合子
どによってみても、当時は大した勢のものであったらしい。和歌の例会の日には、黒塗の
抱え車が門前にずらりと並んで、筆頭には、その頃錦鶏の間祗候田辺太一の愛娘であった....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
。 それにちと間はあるが、そこから一目の表門の直ぐ内に、長屋だちが一軒あって、
抱え車夫が住んでいて、かく旦那が留守の折からには、あけ方まで格子戸から灯がさして....
「マダム貞奴」より 著者:長谷川時雨
車《ぐるま》のある芸妓があるといってみんなが驚いているのを聞いた。わたしの家でも
抱え車は父の裁判所行きの定用《じょうよう》のほかは乗らなかったので、何でも偉い事....
「旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
慮された仏心《ぶっしん》であったかもしれないが、土地がらに似合わない、洋服を着て
抱え車に乗る、代言人の、わたしの父の家でさえ、毎月|晦日《みそか》そうじがすむと....
「探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
表をのぞこうとした時、表では何か口早に話すような人声がきこえた。それは溝口医師と
抱え車夫の元吉の声であった。 「ともかくも家まで乗せて行け。」 溝口の命令する....
「有喜世新聞の話」より 著者:岡本綺堂
表をのぞこうとした時、表では何か口早に話すような人声がきこえた。それは溝口医師と
抱え車夫の元吉の声であった。 「ともかくも家まで乗せて行け。」 溝口の命令する....
「勧善懲悪」より 著者:織田作之助
れこませるだけのものはあった。少なくとも、おれのような人間に……。 例えば、お
抱え車夫からいきなり新聞を経営するなど、既にただの人間ではない――と思っていたと....