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抱卵
「抱卵〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
抱卵の前後の文節・文章を表示しています。該当する5件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「鰍の卵について」より 著者:佐藤垢石
月下旬から四、五月頃までである。奥利根川地方では二、三月頃が、産卵の盛期である。
抱卵した鰍は、流れの強い底石の、それが矢倉に組んである石の天井を捜して、卵を産み....
「莢豌豆の虫」より 著者:佐藤垢石
上旬だ。山女魚は、秋から冬にかけて産卵するとばかり思っていたのに、初夏に至るまで
抱卵しているのは妙だ。と、感じたのはこのときであった。 私は、次第に上流へ釣り....
「釣った魚の味」より 著者:佐藤垢石
は一種の甘味が舌に漂って、ほんとうに捨て難い。また六、七寸の大きなものの鱗を去り
抱卵を捨てないように腸を出して、塩焼きにすると、これも素敵においしい。それに鮒の....
「姫柚子の讃」より 著者:佐藤垢石
た。だが、既にもう秋の鮎である。あの、味品にまとう香気が抜けていた。肉の量は薄く
抱卵は腹に一杯であった。これが盛暑の候であったなら、どんなに味品高い鮎であったろ....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
心を目ざめさせたものであったが、鎌倉在住このかたの頼朝崇拝は、いよいよその大望の
抱卵に、翼やら嘴などの、生き物としての形をそなえさせて来たものといっていい。 ....