抱懐[語句情報] » 抱懐

「抱懐〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

抱懐の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:ゴーゴリニコライ
った。「けっしてその、利慾のために治療を施しているのではありません。それは手前の抱懐する主義と医術とに反するからです。いかにも往診料はいただきます。しかしそれは....
近時政論考」より 著者:陸羯南
たり。彼ただに自由平等をもって旨義となしたるのみならず、主権在民の旨義もまたその抱懐するところに係る、その結果としてはかの改進論派とともに国約憲法を主張したり、....
愛と美について」より 著者:太宰治
ございますが、けれども、みなさん、その日常が侘びしいから、何やら、ひそかな期待を抱懐していらして、そうして、すまして夜の新宿を歩いてみるのでございます。いくら、....
花吹雪」より 著者:太宰治
雪を浴びて闘うところだけは少し義家に似ているが、頗る弱い人物である。同一の志趣を抱懐しながら、人さまざま、日陰の道ばかり歩いて一生涯を費消する宿命もある。全く同....
作家の像」より 著者:太宰治
である。阿佐ヶ谷の酒の店で、私は非常に用心して酒を飲んだ。私は、いま、大事を胸に抱懐しているのであるから、うっかりした事は出来ない。老大家のような落ち付きを真似....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
が姫に考えさせた「朝目よし」の深い意義が彼が身にも犇と伝って来るからである。姫の抱懐する心ばせには縦横に織り込まれる複雑な文彩が動いている。創造の意義である。そ....
政治に関する随想」より 著者:伊丹万作
いう言葉をくり返しさえすれば、時代について行けるように考えている。したがつてその抱懐する道徳理念は、支配階級に奉仕する奴隷的道徳をそのまま持ち越したものであり、....
ガルスワーシーの家」より 著者:岡本かの子
経つと段々東洋化されて行くようです」 その観察は確かにガルスワーシーが不断から抱懐して居るものに違いない様子だが、それを此の場合に述べる口振りには此の英国文豪....
法学とは何か」より 著者:末弘厳太郎
判を加えてその法的正義観を養うことに役立つのである。次には、教師なり著者が自己の抱懐している法的正義観を理論的に展開してみせるのを通例としているが、これによって....
子規居士と余」より 著者:高浜虚子
に臨んで一封の書物を余らに渡した。それは余らを訓戒するというよりも寧ろ居士自身の抱懐を述ぶる処のものであった。居士はこの従軍を以て二個の目的を達するの機運とした....
イプセン百年祭講演」より 著者:久保栄
と言っているのでもわかるとおり、この二つの作は密接な関係をもつもので、イプセンの抱懐する思想を裏と表とから叙述した、広い意味の二部作でありまして、両々相俟って作....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
ては精衛海を填むる世間の物笑いを免かれんかも知れんが、及ばずながらもこれが自分の抱懐の一つである、」云々。 果して二葉亭のいう如くその頃の日露国民間に暗雲が低....
二葉亭追録」より 著者:内田魯庵
の志望たる日露の問題に気焔を吐きもしようし努力もするだろうが、暫らくしたら多年の抱懐や計画や野心や宿望が総て石鹸玉の泡のように消えてしまって索然とするだろう。欧....
「日本民族」とは何ぞや」より 著者:喜田貞吉
る。 日本民族すなわち天孫民族であるとの思想は、実際上多数の帝国臣民の、斉しく抱懐するところである。そして余輩もまた、或る意味においてこれを信ずる一人である。....
「特殊部落研究号」発行の辞」より 著者:喜田貞吉
すべしと思考致しおり候うものにこれ有り候う。 されば一学究たる小生は、ただ平素抱懐致しおり候う日本民族成立上の知識よりして、彼らが何が故に区別せらるるに至りし....