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抵触
「抵触〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
抵触の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「演技指導論草案」より 著者:伊丹万作
に際して演出者は俳優になりきるべきである。このことは一見俳優に対する批評的立場と
抵触するようだが、実際には
抵触しない。万一
抵触するにしても、そのためにこの法則を....
「思想と風俗」より 著者:戸坂潤
りを標榜するのでは、丁度或る一定の学説内容に関する取締りが思想言論の自由の精神に
抵触するように、信教の自由の観念に
抵触するわけだ。無論取締らねばならぬような思想....
「二つの庭」より 著者:宮本百合子
つのけじめの必要を考えさせるほど切迫した関係をもつということは、多計代の純潔感に
抵触しないことなのだろうか。 きのう、とり乱した母の顔を目の前に見て、伸子は我....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
らの心を鞭打たねばならない。けれど、私がここに語りたいのは、この当為にはけっして
抵触せずに、いなむしろこの当為を践み行なわんために、愛より必然に分泌せらるる二つ....
「今日の日本の文化問題」より 著者:宮本百合子
を、経済発達史の基礎の上に立って現実的に研究することは、日本の天皇制の絶対主義に
抵触することであった。社会が科学的研究の対象であるということを日本の権力は認めた....
「社会時評」より 著者:戸坂潤
ようという思想的動機から発動した風紀警察自身も、ここまで来ると、却って思想警察と
抵触することとなる。困難なのは風紀警察であり、之を更に困難にするものは思想警察な....
「マダム貞奴」より 著者:長谷川時雨
のような冷静、無智、隷属、卑屈、因循をもって法《のり》とし、その条件にすこしでも
抵触すれば、婦徳を紛紜《うんぬん》する。しかし、人は生きている。女性にも激しい血....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
にこりさせない為の由です。初めてのがああだったと市の関係者や校長仲間の男らしさに
抵触しないための心くばりです。代々幾人も女校長が出るためには、初代はそういう考え....
「蔵の二階」より 著者:豊島与志雄
の美津子からの話である。邸宅新築のために材木を買い入れておいたところ、建築法令に
抵触して、予定通りの家屋を建てることは危険となり、だいぶ材木が余った。二三室の家....
「リズムの構造」より 著者:中井正一
たらしたといえるであろう。そのことがルネッサンス以前を保持する東洋的なるものと相
抵触するとも考えられるであろう。 しからば東洋的リズムをも解釈の範囲にまで置く....
「魔都」より 著者:久生十蘭
」を抜け出したということに直接の重大性はない。行動ははなはだ胡乱だとしても、法に
抵触するわけでもなければ犯罪にもならない。何のために山木が「すず本」を抜け出した....
「探偵戯曲 仮面の男」より 著者:平林初之輔
彼の行為の結果がよいかわるいかは問題にしなくともよいのです。ただ、彼の行為が法に
抵触するかどうかだけが問題なんです。彼が強盗という手段をとる以上、我々は徹底的に....
「銀座」より 著者:永井荷風
ら》う豚の肉の油揚げは、既に西洋趣味を脱却して、しかも従来の天麩羅《てんぷら》と
抵触《ていしょく》する事なく、更に別種の新しきものになり得ているからだ。カステラ....
「審判」より 著者:カフカフランツ
被告の態度の根本原則だ、と彼は思っていたが、――まさにこの根本原則にしょっちゅう
抵触するのだった。彼の前には長い廊下が延びており、そこから風が吹いてくるが、それ....
「木綿以前の事」より 著者:柳田国男
べきものである。現在はちょうど世の中の一つの変り目で、古い仕来りと新しい思索とが
抵触して、かつては直面しなかったいろいろの生活問題の、解決を今明日に迫られている....