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押し包む
「押し包む〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
押し包むの前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「彼岸過迄」より 著者:夏目漱石
人の肉を飾る華麗《はなやか》な色をその裏に想像した。女はまたわざとそれを世間から
押し包むようにして立っていた。襦袢《じゅばん》の襟《えり》さえ羽二重《はぶたえ》....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
少の時から何かのおりに必ずいだくなつかしい感情だった。 それもやがて疲労の夢が
押し包む。 今岩内の町に目ざめているものは、おそらく朝寝坊のできる富んだ惰け者....
「うつり香」より 著者:近松秋江
らもらった胃の薬なんざあ駄目だなあと思った。 お宮は五円札を一枚やると嬉しさを
押し包むように唇をきゅっと引き締めて入口まで送って出た私の方を格子戸を閉めながら....
「かんかん虫」より 著者:有島武郎
が、海と空と船と人とを、めまぐるしい迄にあざやかに染めて、其の総てを真夏の光が、
押し包む様に射して居る。丁度昼弁当時で太陽は最頂、物の影が煎りつく様に小さく濃く....
「レンブラントの国」より 著者:野上豊一郎
、天才の魂の老熟に心を奪われたが、同じ驚嘆はレンブラントの「解剖講義」に対しても
押し包むことができなかった。 六 アムステルダムの国立博物館《リイクス....
「魔都」より 著者:久生十蘭
までやって行くと、突然松の下闇の中から二人の男がヌッと立ち現われ、前後から加十を
押し包むようにしながら、その一人が、
「貴様は何だ。……なんでこんなところをうろ....