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「押し戴く〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

押し戴くの前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
箕輪心中」より 著者:岡本綺堂
しく家来の眼の前にがらりと投げ出された。 三左衛門はあわててその鎧を引き寄せて押し戴くようにして自分の膝の上に抱きあげたが、勿体ないと情けないとが一つにもつれ....
青木の出京」より 著者:菊池寛
物をでも戴いたように低頭せんばかりに、 「やあ、ありがとう」と、いいながらそれを押し戴くようにした。 八十円を懐にした青木は、線香花火のように燦《きらび》やか....
大島が出来る話」より 著者:菊池寛
を考えて居たことを思うと、彼は更に云いようのない感謝に囚《とら》われた。 彼は押し戴くようにして、近藤夫人の最後の贈物を受け取った。 が、夫は決して最後の贈....
冥土行進曲」より 著者:夢野久作
碗を二つ載せた銀盆を目八分に捧げて這入って来た。印度風の礼式であろうか。頭の上に押し戴くように一礼しいしい私の前の小|卓子に載せた。 扉の外での切羽詰まった態....
鮭の祟」より 著者:田中貢太郎
ぜたらどうじゃ」 女房は蕎麦切を椀に盛って出した。 「これは有難い」と、旅僧は押し戴くように受け、竹の簀子を敷いた縁端に腰をかけて、「蕎麦切の御馳走はありがた....
一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
月質素な茶色の袋に、私たちの満腔の感謝と希望と祝福とをこめて月給を入れ、一つ一つ押し戴くようにして封をする。この時は誰も室に入ることを許さず、主人と私とただ二人....
ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
演いたしまして、ヘロデ王に叱《しか》られるとべそをかく、褒賞《ほうび》をもらうと押し戴く、ディヤナには色目を使うという工合で、天晴《あっぱ》れ一役をやってのけま....
四つの都」より 著者:織田作之助
なたにはこれ、約束の薬です。気休めに服んでみて下さい」 鶴三「こりゃ、どうも」(押し戴く) 庄平「あ、しまった」 鶴三「どうかしましたか」 庄平(デス・マスクを....