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押っ
「押っ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
押っの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「籠釣瓶」より 著者:岡本綺堂
いんねん》になっていた。 「実をいうと、佐野のお家《いえ》はもう駄目だ。とうとう
押っ潰《つぶ》れてしまったよ」と、治六は悲しそうな眼をしばたたいた。 亭主はし....
「鳥辺山心中」より 著者:岡本綺堂
だ。源三郎、河原へ来い」 「むむ」 源三郎も負けずに睨み返した。武士と武士とが
押っ取り刀で河原へゆく――それが真剣の果し合いであることは、この時代の習いで誰も....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
はなんにも持って来なかったのかいと、こう云ったときに、おまきさんの顔が……。耳が
押っ立って、眼が光って、口が裂けて……。まるで猫のようになってしまったんです」 ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
、三千両の身代を乗っ取れば、まず大出来だったんでしょうよ。今日のようにボロ会社を
押っ立てて新聞へ大きな広告をして、ぬれ手で何十万円を掻き込むなんていう、そんな器....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
、当人の紋作は冠蔵と一緒に料理屋を出て、どっちも酔っている勢いで途中でまた喧嘩を
押っ始めた。今度は誰も止める者がないので、喧嘩はいよいよ大きくなって、あわや腕ず....
「眉かくしの霊」より 著者:泉鏡花
土手へ出ますと、川べりに、薄い銀のようでございましたお姿が見えません。提灯も何も
押っ放り出して、自分でわッと言って駈けつけますと、居処が少しずれて、バッタリと土....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
た、ふみが来た」と、低い声で唸った。 「そら、来た」 待ち構えていた二人の侍は
押っ取り刀でやにわに襖をあけた。閉め込んだ部屋のなかには春の夜のなまあたたかい空....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
。 「いけませんかえ」 「はは、大抵こんなことだろうと思った。承知していながら、
押っかぶせようというのだから罪が深い」と、其月は取り合わないように笑っていた。 ....
「修禅寺物語」より 著者:岡本綺堂
かる。五郎は抜きあわせて、たちまち斬って捨つ。軍兵数人、上下より走り出で、五郎を
押っ取りまく。) 五郎 やあ、春彦。ここはそれがしが受け取った。そちは御座所へ走....
「縷紅新草」より 著者:泉鏡花
事だろうが、何かね、掘返してお骨でも。」 「いや、それはなりましねえ。記念碑発起
押っぽだての、帽子、靴、洋服、袴、髯の生えた、ご連中さ、そのつもりであったれど、....
「探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
深田君は庭に出ると、明かるい月は霜をふらしたような白い影を地に敷いて、四つ目垣に
押っかぶさっている萩や芒の裾から、いろいろの虫の声が湧き出すようにきこえた。その....
「子供役者の死」より 著者:岡本綺堂
ろ向きになって倒れているのです。長い髪は滅茶苦茶に散らばって、頭から肩のあたりに
押っかぶさっていて、黒の帯はぐずぐずに解けかかっている。それはまあいいとして、女....
「小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
た。亀田新九郎、横井弥兵衛などという若侍も出て来た。かれらは怪しい眇目の異国人を
押っ取りまいて、いよいよ厳重に詮議をはじめて、結局は敵の間者か細作のうたがいを以....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
と午後三時頃から非常に風が吹き出した。どうもその砂が波を揚げて来るので荷物は砂に
押っ被ぶされてしまうし、バアーッと眼の中へ吹き込むから眼を開いて歩くことが出来な....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
から税関の岸壁を目ざして駛っている自動車の中に、隣国の王やアルスの弟や友人たちに
押っ取り巻かれて嬉々としている私自身を見出した。それから高麗丸の食堂ではそろって....