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「押込み〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

押込みの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
一房の葡萄」より 著者:有島武郎
その箱の蓋を開けて藍と洋紅との二色《ふたいろ》を取上げるが早いかポッケットの中に押込みました。そして急いでいつも整列して先生を待っている所に走って行きました。 ....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
相当に纏まった仕事をしていたらしいんです。この一件の一と月ほど前に東両国の質屋へ押込みにはいった二人組がありましたが、その晩は蒸し暑いので、ひとりの奴が覆面を取....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
え。実はゆうべ、浅草の代地河岸《だいちぎし》のお園《その》という女の家《うち》へ押込みがはいって、おふくろと女中の物には眼もくれず、お園の着物をいっさい担ぎ出し....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
巣を変えたらしいので、わたくし共も手をわけて探索していると、藤吉は千住の深光寺へ押込みにはいりました。寺の納所《なっしょ》たちが銅鑼《どら》をたたいて騒ぎ立てた....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
文久三年十一月、あらためて申すまでもありませんが、その頃は幕末の騒がしい最中で、押込みは流行る、辻斬りは流行する。放火は流行る。将軍家は二月に上洛、六月に帰府、....
二、三羽――十二、三羽」より 著者:泉鏡花
と麦の方へは嘴をつけぬ。此奴ら、大地震の時は弱ったぞ――啄んで、嘴で、仔の口へ、押込み揉込むようにするのが、凡そ堪らないと言った形で、頬摺りをするように見える。....
三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
や/\しく飾ってある革の手箱のなかから彼の巻物をとり出して、それを先ずふところに押込み、ふだんから大切にしている法螺の貝をかゝえ込んで、自分の屋敷をぬけ出しまし....
名人長二」より 著者:三遊亭円朝
え、チョッ忌々しい奴だ」 と独言を云いながら金包を手拭に包んで腹掛のどんぶりに押込み、腕組をして、女と一緒だからまだ其様に遠くは行くまい、田圃径から請地の堤伝....
怪談牡丹灯籠」より 著者:三遊亭円朝
物がなければいかぬと思い、予ねて用心に持って来た同じような重さの瓦の不動様を中へ押込み、元の儘にして神棚へ上げ置き、 伴「おみねや長いのう、余り長く洗っていると....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
上や、磯の松の根方から、おおいおおい、と板東声で呼ばり立って、とうとう五人がとこ押込みましたは、以上七人になりました、よの。 どれもどれも、碌でなしが、得手に....
明日」より 著者:井上紅梅
して貯め込んだ十三枚の小銀貨と百八十の銅貨をさらけ出し、皆ひっくるめて衣套の中に押込み、戸締をして寶兒を抱えて何家の方へと一散に走った。 早朝ではあるが何家に....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
ここも迫ッつけ戦場になるかも知れんし、よしんば戦場にならなくとも、敗走する兵隊や押込み強盗の群れが入りこんでくるにきまっている。そのときになって慌てて逃げても、....
剣侠」より 著者:国枝史郎
怪しい片輪武士と、ともどもこの屋敷へ潜入いたしましたを、つけて参って拙者見届け、押込みと推し、ご注意いたそうと、拙者も潜入いたした次第で」 「その片輪武士こそ陣....
」より 著者:岡本綺堂
の末期であるから、世の中はひどく騒々しい。将軍家のお膝元という江戸も頗る物騒で、押込みの強盗や辻斬りが毎晩のように続く。その八月の十二日の宵である。この年は八月....
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
けて見ると、長持の中には一人の娘が縛られて、猿轡と申して口の中へ何か小さい片布を押込み、其の上を手拭にて堅く結り、島田髷はガックリと横に曲り、涙が伝わって襦袢の....