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押送
「押送〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
押送の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
護送せられた時には蓋し署内に凱歌の声が溢れたろうと思う。 さて支倉は神楽坂署へ
押送されると、直に大島司法主任の面前に引っ張り出された。 彼はいかなる訊問を受....
「日本天変地異記」より 著者:田中貢太郎
には駿河に大地震があって、富士山の絶頂が数百丈崩れた。この七月は藤原俊基が関東を
押送せられた月で、「参考太平記」には、「七月七日の酉の刻に地震有りて、富士の絶頂....
「旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
残り者が縁近くに碁盤を据えると、汐潮《しお》があげてきて、鼻のさきをいせいのいい
押送りの、八丁|艪《ろ》の白帆が通ろうと、相生橋にお盆のような月がのぼろうと、お....
「家なき子」より 著者:楠山正雄
もが、いまは歴史に由緒の深い古城の主人であった。 わたしが汽車からとび下りて、
押送の巡査の手からのがれて船に乗った、あの海岸から西へ二十里(約八十キロ)へだた....
「朱絃舎浜子」より 著者:長谷川時雨
小松の枝振りの面白い、波|除《よ》けの土手に邪魔もされず、白帆《しらほ》をかけた
押送《おしおく》り船《ぶね》が、すぐ眼の前を櫓《ろ》拍子いさましく通ってゆくのが....
「新西遊記」より 著者:久生十蘭
たいとうち》稽首作礼《けいしゅさらい》という苛酷な刑に処せられる。西蔵馬に乗った
押送使と四人の警兵が附添い、大地に平伏して摩※《マニ》(ラマ教の真言《しんごん》....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
めて、波路の泣き声が外に聞え、狂い狂い遠くへ消えて行った。 俊基、資朝の鎌倉|
押送は、あくる朝の十月四日、予定どおりに行われた。 卯ノ下刻(午前七時)に六波....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
重大犯とみなさるる僧の文観、忠円、知教、遊雅、円観など――あまたな縄付がぞくぞく
押送されていた。で、なおさら、 「万一にも」 と、幕府は戦時令にひとしい厳しさ....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
涼な十一月十五日――尊氏の一族細川|顕氏が警固のもとに、大塔ノ宮は、あずまの空へ
押送されて行った。侍きには“南の御方”という女房ひとりが供をゆるされただけだった....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
ひきつづいて、落城のさい、足利勢に捕われた後醍醐の皇太子|恒良が、現地から都へ、
押送されて来た。
押送の将が、幕府へ出て、直義へ告げた日の報告によると。 新....