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「押領〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

押領の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
十二支考」より 著者:南方熊楠
日はその人思い付きのまま町のどの部分でも通り、その間家内にさえなくば何でもかでも押領し得るんだ、さてかの者自身縛られて王前に詣《いた》り叮嚀に豹首を布に包み携う....
菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
梅三郎を親の敵と思い詰めた疑いが晴れたのみならず、悪者の密書の意味で、略ぼお家を押領するものが有るに相違ないと分り、私の遺恨どころでない、実に主家の大事だから、....
名人長二」より 著者:三遊亭円朝
無瑕でも、長二郎のために母で無し、まして大悪無道、夫を殺して奸夫を引入れ、財産を押領いたしたのみならず、実子をも亡わんといたした無慈悲の女、天道|争でこれを罰せ....
ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
のまことの下心は、御事済みの後、御家老の御威光をもちて、呉家の物なりを家倉ともに押領せられむ結構とこそ承り候へ。御運とは申せ、力無き事とは申せ、御行末の痛はしさ....
新釈諸国噺」より 著者:太宰治
いう大賊、仙台|名取川の上流、笹谷峠の附近に住み、往来の旅人をあやめて金銀荷物|押領し、その上、山賊にはめずらしく吝嗇の男で、むだ使いは一切つつしみ、三十歳を少....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
かりに見る影もなき小国のやう思はるれども、その実は全世界を三十にわりてその一分を押領《おうりやう》するほどの人数を持てる国なり、まして産物は沢山、食物は勿論……....
藪の鶯」より 著者:三宅花圃
お貞とはもとより夫婦同様になしいたれど。はま子の恋慕を幸いに婚礼なし。その財産を押領《おうりょう》なすべきたくみなれば。ついにはあの方にのみ多くありて。物見遊山....
徳育如何」より 著者:福沢諭吉
蛮夷が中華を乱だるも、聖人の道をもってこれを防ぐべし。すでにこれを乱だりてこれを押領《おうりょう》したるうえは、また、聖人の道をもってこれを守るべし。敵のために....
奥州における御館藤原氏」より 著者:喜田貞吉
、隠然一敵国の観をなしたのであった。されば心あるの士はこれを憤慨し、彼らは王地を押領するものとして、これを近づけるを欲しなかった。その史料は断片ながら多少は存し....
法然行伝」より 著者:中里介山
一 法然上人は美作《みまさか》の国、久米《くめ》の南条稲岡庄《なんじょういなおかのしょう》の人である。父は久米の押領使《おうりょうし》、漆《うるま》の時国《ときくに》、母は秦氏《はたし》である....
春雪の出羽路の三日」より 著者:喜田貞吉
に没入するの情勢となった。かくて奥州では俘囚の長安倍頼時が、今の陸中中部の六郡を押領して、国司の命を奉せず、ためにいわゆる前九年の役が起ったのであった。このさい....
濫僧考」より 著者:喜田貞吉
の僧、邪濫の輩と呼んでいる。清行自身はとにかくとして、荘園の名の下に天下の公地を押領し、民衆を苦しめてひとり栄華に耽った当時の貴紳富豪の輩の目から見たならば、彼....